研究課題/領域番号 |
15330134
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会心理学
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研究機関 | 名古屋大学 (2006) 神戸大学 (2003-2005) |
研究代表者 |
唐沢 穣 名古屋大学, 環境学研究科, 助教授 (90261031)
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研究分担者 |
米谷 淳 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (70157121)
遠藤 由美 関西大学, 社会学部, 教授 (80213601)
松井 智子 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (20296792)
小椋 たみ子 神戸大学, 文学部, 教授 (60031720)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 社会系心理学 / 社会的認知 / 言語と認知 / 認知と文化 / コミュニケーション / 発達心理学 / 感情心理学 / 文化と認知 / 共有的認知 / 原因推論 / 意図性の認知 / 感情の認知 / 心の理論 / 社会的カテゴリー / ステレオタイプ / 自己概念 / 意図の理解 / しろうと理論 / 認知の共有性 / 社会的ステレオタイプ / 要求表現 / 感情表出 / 表情の理解 |
研究概要 |
社会的認知が、個人内の情報処理過程だけでなく集合的なレベルでの共有的認知過程をも基礎としていることを、多様なアプローチを用いた研究によって明らかにした。まず、社会的ステレオタイプに関連した情報や、行為の原因に関する情報の伝播と共有に関する理論的枠組みの構築を行なった。続いて、複数の人々の間における会話や連鎖的情報伝達におけるステレオタイプ情報の取り扱われ方を実験によって明らかにした。加えて、集団や人物の属性に関する言語表現の文化的基盤について理論的考察を行なうとともに、言語(文化)比較実験を実施し、日本語と西欧言語における属性表象の共通性と差異性を明らかにした。 また、個人および集団による行為の背景として知覚される、意図性の判断を調べる実験を行なった。結果は、集団としてのまとまりが高く知覚されると、個人の行為の場合と同様に、何らかの意図をもって行為がなされたと判断されること、そしてそれに対する責任も問われることが示された。従来の原因帰属過程の研究に加えて、意図性知覚を理解するための理論的枠組みの必要性が明らかとなった。加えて、集団の行為に関する認知の基礎となる、本質性認知の構造とその文化的共有性についても吟味した。 意図性知覚の形成については、発達心理学的観点からの検討も行なった。誤信念課題を用いた実験の結果は、言語的手がかりを用いて他者の意図を推論する能力の獲得が、従来の心の理論研究で示されてきた結果と比べても比較的早期に成立している可能性を示した。 この他、集団アイデンティティーや、個人の内面の被透視感などに関するメタ認知の規制について実証的研究を行なった。また、他者の表情を手がかりとした感情理解の過程について文化比較的研究を行なった。
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