配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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研究概要 |
本研究では,ラットの顕在記憶を測定するために,オペラント箱で複数対の刺激を用いて遅延非見本合わせ課題を訓練・測定する手続きの開発と自動化を行った.従来のラット用のオペラント箱を改良して,側壁面の1つにタッチパネルを装着し,そのスクリーン上にいろいろな2次元の図形刺激が提示できるようにした.これによって試行毎に次々と新しい刺激対が現れる様式の遅延非見本合わせ課題を考案した.まず中央の窓に見本刺激Aを提示し,ラットがこれに反応するとこの刺激が消えた.一定の遅延時間の後に刺激AとBを同時に左右の窓に提示し,見本期に提示されなかった刺激(刺激B)をラットが選択すると餌による強化を与えた.次の試行では別の刺激対を用い,これを繰り返した.また途中から,タッチパネルを用いることによる問題点,とくにタッチ反応検出の不安定性を解決するため,オペラント箱で3つの刺激提示窓とそれぞれの窓の下にレバーが設置された3レバー方式の装置を用いた.どの試行でも同じ刺激対を用いる場合と,試行毎に次々と新しい刺激対が現れる場合を比較した,その結果,ラットで遅延非見本合わせを安定して遂行させることは,遅延時間の長短にかかわらず非常に困難であった. どうしてオペラント箱を用いるとこの課題がラットにとって難しい課題となるのかについて考察したところ,見本刺激や選択刺激を短時間のうちに十分に見る(判別する)ことの困難さ,選択期に2つの刺激を見比べることの困難さ,またそれと関連して左右どちらかの刺激にラットが固執反応を示す傾向があることが考えられた.用いる刺激図形の精選,刺激を十分に見させるためにレバーを押したまま保持する訓練,あるいは刺激提示とは反対側の壁にもレバーを取り付け,これを押さないと次の過程や試行に進まない条件の導入などが,今後の検討課題として挙げられる.
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