研究分担者 |
小池 正夫 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (20022733)
永友 清和 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (90172543)
高田 敏恵 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (40253398)
朝倉 政典 九州大学, 大学院数理学研究院, 助手 (60322286)
脇本 實 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00028218)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
海外共同研究者であるドイツ,ボンのマックスプランク研究所のDon Zagier氏との,Atkinの直交多項式系に関する共同研究において現れた微分方程式について,そのモジュラーおよび「準モジュラー」(quasimodular)な解を分担者九大小池正夫と調べた.モジュラー解については重さ5分の整数の場合に,古典的なKlein, Ramanujanのモジュラー関数に関係する解を発見した.また準モジュラー解に関連して「extremal」な準モジュラー形式の概念を導入し,その性質について調べた.「深さ」が1および2の場合に,微分方程式を具体的に書き下し,extremal quasimodural formも具体的に漸化式で与えた.係数の数論的観察など,計算機実験によって得られた興味深い知見もあるが証明には至っていない.また準モジュヲー形式の応用として,モジュラー群の尖点形式のフーリエ係数がある素数に関してordinaryであるための条件を,ある種の多項式(モジュラー形式を順次微分して得られる準モジュラー形式を,重さ2,4,6の三つのアイゼンシュタイン級数によって表したときの多項式)の可除性によって記述することにも成功した. Don Zagier氏および井原健太郎氏(現近畿大学研究員)との共同研究で,多重ゼータ値のある関係式の系列を非可換多項式環の導分を用いて解釈し,予想として定式化,証明した.さらにこの関係式と,「複シャッフル関係式」を結び付ける関係式を証明した.この「複シャッフル関係式」を二重ゼータ値の場合に詳しく調べる研究をDon Zagier氏およびHerbert Gangl氏(現Durham大学)と共同で行なった.そこには意外にもモジュラー形式の周期多項式が現れる.副産物としてヤコビの判別式関数のフーリエ係数,いわゆるラマヌジャンのタウ関数について,新しい公式をいくつも得た.
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