研究分担者 |
小磯 憲史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70116028)
山田 光太郎 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (10221657)
ROSSMAN Wayne (WAYNE F.Rossman / ROSSMAN Wayne F.) 神戸大学, 理学部, 助教授 (50284485)
國分 政敏 (國分 雅敏 / 国分 雅敏) 東京電機大学, 工学部, 助教授 (50287439)
井ノ口 順一 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (40309886)
藤木 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027383)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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研究概要 |
定曲率空間における曲面および曲線の大域的性質に関する研究について,以下のような研究成果を得た. 1.3次元時空の空間的な曲面は,平均曲率が零になるとき極大曲面とよばれる.このような曲面のうち,3次元複素数空間への正則かつ等方的なはめ込みの実部で表されるものを極大面と名付けた.代表者は,分担者の山田と共同研究を行い,極大面で特異点がコンパクトで,それを除いた部分で完備なリーマン計量を有するものに関してWeierstrass型の表現公式を与え,さらにその応用として,Osserman型の不等式を示し,その等号条件が,曲面のすべてのエンドが正則で自己交叉を持たないことと同値であることを示した.さらに上記の研究の発展として,代表者は,佐治氏,藤森氏および分担者の山田との共同研究として,カスプ状交叉帽子とよばれる特異点の判定法を与え,その応用として3次元時空の極大曲面と3次元ドジッター空間の平均曲率1の曲面に一般的に現れる特異点は,cupspidal edge,ツバメの尾,カスプ状交叉帽子の3種類に限ることを示した. 2.代表者は,佐治氏および山田(研究分担者)と共に,波面に現れる特異点として一般的なcuspidal edgeとswallowtailの近傍におけるガウス曲率の挙動について研究を行った.特にcuspidal edge上に特異曲率と呼ばれる新しい微分幾何的な特異点上の不変量を定義し,閉曲面の場合には,その積分の2倍と全ガウス曲率との和が,曲面のオイラー数に一致することを示した.さらにswallowtailの近傍では,特異曲率が負の無限大に発散することを示したほか,ガウス曲率が正のとき,特異曲率は正になり得ないことを示した. 3.実射影平面における単純閉曲線の位相型は,1点にホモトピックなものとそうでないものの2種類がある.その中で変曲点を持たない単純閉曲線は卵形線とよばれ,1点にホモトピックなものの典型例を与える.一方,1点にホモトピックでないものの代表例として反凸閉曲線とよばれる閉曲線のクラスがあり「曲線上の任意の点において,その点を通り,その他の点では曲線と交わらない直線が存在する」という性質をもつ.代表者は,ケルン大学のThorbegsson氏との共同研究によって,反凸閉曲線の変曲点と独立な2重接線の数との間に,ある一定の等式が成り立つことを示した.
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