研究分担者 |
平地 健吾 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (60218790)
高木 寛道 (高木 寛通) 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (30322150)
佐藤 栄一 (佐藤 榮一) 九州大学, 大学院数理科学研究院, 教授 (10112278)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80116102)
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
稲場 道明 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (80359934)
風間 英明 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10037252)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
交付申請時の研究目的にあるように,研究成果は大別して次の2つからなる. 1.乗数イデアル層の基礎的性質に関する研究.2.乗数イデアル層の理論に基づき,代数多様体の基本的性質を解明する研究.さらに3.今後の発展が期待される研究,について述べる. 1.(1)代数多様体を調べる上で基本的である飯高ファイバー空間の理論を,乗数イデアル屑を用いた交点理論を定式化することにより再構築した.(Trans.AMS 2003) (2)ネフ因子が豊富になるためのSeshadri判定法を一般化して,擬正因子が巨大になるための判定法を上述(1)の乗数イデアル層を用いた交点理論を改良することにより証明した. (Math.Z.2003) 2.1の基礎付け,およびLazarsfeldによる代数的な乗数イデアル層の理論,Siuの方法などを応用することで,以下のような結果を得た。いずれも代数多様体の多重標準形式の存在に関する研究であり,我々の理論1から見れば応用に位置するが,研究分野全体から見れば基本定理にあたる. (1)代数多様体の変形族に対して,各ファイバーの多重種数の振る舞いについて研究し,以前からある予想の最終的な解決を与えた.(J.Algebraic.Geom.2006) (2)一般型代数多様体Xに対して,次元nにしか依らない数がm(n)存在し,m>m(n)ならば,多重標準系lmK_Xlに付随した写像が双有理になることを示した.(Invent.Math.2006) 3.写像f : X→Yに対して,順像f_*K_{X/Y}がある正値性をもつことは以前から知られていた.これを写像fの特異点の周りでの解析を加えて精密化することにより,所謂Griffiths予想の部分的解決を得た. 今後の研究では,乗数イデアル層の理論の相対版を研究することで,順像f_*(mK_{X/Y})の正値性について研究を進め,さらなる応用を目指したい.
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