研究分担者 |
岡田 正巳 (岡田 正已) 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (00152314)
小藤 俊幸 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30234793)
坂上 貴之 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10303603)
杉浦 洋 南山大学, 数理情報学部, 教授 (60154465)
杉原 正顕 (杉原 正顯) 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80154483)
石井 克哉 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 教授 (60134441)
前田 茂 徳島大学, 総合科学部, 教授 (20115934)
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配分額 *注記 |
16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
数値解析の目的は,様々な数理モデルで求められる数値アルゴリズムを設計・解析・評価し,モデルの仕様に見合う解答を与えることであるが,同時に広範な数理モデルに共通する構造に着目し,それに対応する数値アルゴリズムを見出すことによって,構造のもつ数理的な意味に接近することも試みる.力学系(dynamical system)は殆ど微分積分学の誕生と時を同じくする歴史を有する構造的概念であるが,数値解析との関わりにおいて深い解析が行なわれるようになったのは,比較的新しい. Hamilton力学系を微分方程式として表現すれば,Hamilton標準形(canonical form)となり,その数値積分法に(連続)力学系におけると同様のsymplecticnessを課することで,数値積分法の安定性概念との関係が明らかなる.こうした相互関係を深めるという研究目標にたって,主として以下の項目で研究成果を収めた.代表的な成果のみに触れる. (1)連続力学系と離散力学系との対応関係の数値解析的観点からの研究 近年提唱されている"変分的離散解法"はその一環であり,その多方面への応用が行われ,またGalerkin的観点から,waveletを活用した離散近似を成功させた. (2)保存的あるいは散逸的数値積分法と数値安定性との相互関係の研究 典型的な事例として、流体力学における渦層の運動の安定性解析が進展した. (3)時間遅れあるいは確率的要素を含む力学系の数値解析の研究 これら方程式は多くの場合散逸的であるが,その数値解法(離散変数解法)が安定性のもとで「力学的構造」をどこまで再現するかを解明し,系によるモデルの意義を明らかにした. (4)力学的・物理的現象の大規模シミュレーションへの応用の研究 力学系のシミュレーションの大規模化と,同時に求められる数値解法の安定な精密化を実現させた. また,研究期間中開催された,この方面の研究の国際交流の場として重要な国際会議2005International Conference on Scientific Computation and Differential Equations(SciCADE05)の成功にも貢献した.
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