研究課題/領域番号 |
15340061
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 京都大学 (2004-2005) 名古屋大学 (2003) |
研究代表者 |
長田 哲也 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80208016)
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研究分担者 |
佐藤 修二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025483)
杉谷 光司 名古屋市立大学, システム自然科学研究科, 助教授 (80192615)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2005年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2004年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 光学赤外線望遠鏡 / 赤外線サーベイ / 銀河中心 / 銀河系 / 星間塵 / 星間減光 / red clump star / 銀河構造 |
研究概要 |
銀河中心方向のJHK3バンドの高解像度赤外線サーベイ観測を、0.45秒角ピクセルの高解像度で行なった。観測領域は銀緯方向に±1度(±150pc)銀経方向に±10度(±1.5kpc)をカバーする。観測機器はHAWAIIアレイとよばれる1024x1024素子のHgCdTe赤外線検出器を3個装備した3色同時撮像近赤外線カメラ(SIRIUS)であり、名古屋大学大学院理学研究科が南アフリカ天文台サザーランド観測所に設置した1.4m望遠鏡に搭載した。従来の検出器読み出し方式をさらに改良し、一層の観測効率化を図った。 数多くの赤外線源を検出し、その中からred clump starsと、呼ばれるヘリウム燃焼段階の星を、まず銀河中心の周囲約1度で選び出して標準光源として用い、星間物質による減光を決定した。この方法により、減光の波長依存性を求める際に良く使われてきた色超過の方法とは違って、減光の絶対値を近赤外線のKバンドで初めて精度良く求めることができた。星間塵のJHKバンドでの減光量がRieke-Lebofsky則(ほぼ波長の-1.6乗に比例)からずれていることが明らかになった。従来、近赤外域では減光則はどの方向でも一定という粗い議論がなされてきたが、銀河中心方向では波長のほぼ-2乗に比例して早く減少することを示した。これは、星間塵のサイズや成分の差異を示唆するとともに、観測結果の赤化補王の際にも重要な結果である。 こうして中心部での減光則を求めた後、red clump starsの分布ピークまでの距離を決めることで銀河中心の周辺の構造を決定した。その結果、銀河中心部に存在すると言われていたバー構造は一体のものではなく、中心から数度(直径で1.2kpc)にわたっては視線方向との傾きが緩やかであることを見出した。
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