研究課題/領域番号 |
15340069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 肇 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20178982)
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研究分担者 |
山崎 寛仁 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90260413)
笠木 治郎太 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10016181)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
2004年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2003年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | カイラル対称性 / スカラー粒子σ / 質量の減少 / カイラル相転移 / SPring-8 / STBリング / レーザー電子光 |
研究概要 |
原子核内部におけるカイラル対称性の部分的回復現象を調べるために、SPring-8における2.4GeV レーザー電子光ビームを原子核標的に入射し、放出される複数のγ線を検出する実験を行った。現在、次の4つの物理過程について解析が進められている。 1)γA→π^0π^0X 2)γN'→ωN,ω→π^0γ(N : nucleon in A) 3)γN'→π^0N 4)γp→π^0ηp 過程1)では、カイラル相転移のオーダーパラメータに密接に関係するスカラー粒子σの原子核中での性質の変化を調べている。タングステン標的と炭素標的に対するπ^0π^0の不変質量分布の比は、不変質量が小さいところで大きくなっており、カイラル対称性の部分的回復が原子核中で起こっていることを示唆している。ただし、2π閾値付近では、3π^0等のチャンネルからのfakeな2π^0事象が無視できず、これらの影響に関する詳細な解析がなお進められている。過程2)では、ωの運動量が大きいところではその不変質量は変化しないが、運動量が小さいところでは質量が小さくなり、且つ幅が増大するという傾向が観察されている。このチャンネルに対してもバックグラウンドの評価が重要であり、詳細な検討を行っている。過程3)では、超前方(10度以下)に放出されるsingle π^0のビーム非対称度Σの測定を行い、前方にも拘わらず、Σ【approximately equal】1という結果を得た。これは全く新しい実験結果である。尚、このチャンネルの測定を通して、LEPSビームによる超前方(3°)の測定が可能であることが示された。過程4)では、このエネルギー領域ではπ^0ηが殆どa_0メソンからのものであり、かつa_0pの閾値付近に共鳴状態がある可能性を示している。この他、原子核中におけるφメソンの相互作用を調べ、φメソンの性質が変化している可能性を示した。 一方、附属原子核理学研究施設での新GeVγビームラインは整備され、3x10^7 photons/sの標識化光子ビーム強度で実験を行えるようになった。又、将来の電磁カロリメータ開拓の一環として、BSO単結晶に関する研究を進めた。
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