研究課題/領域番号 |
15340082
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 西日本工業大学 |
研究代表者 |
小田原 厚子 西日本工業大学, 工学部, 助教授 (30264013)
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研究分担者 |
郷農 靖之 理化学研究所, 加速器基盤研究部, 研究嘱託 (50016127)
五十棲 泰人 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 教授 (50027603)
亀卦川 卓美 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所・物質化学第2研究系, 助手 (70195220)
望月 優子 理化学研究所, 加速器基盤研究部, RIBFプロジェクトスタッフ (90332246)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
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キーワード | 崩壊定数変化 / 電子捕獲崩壊 / 超高圧 / カリウム40 / コンプトンカメラ / ベータ崩壊 |
研究概要 |
半減期1.28×10^9年の^<40>Kにダイヤモンドアンビル装置を用いて超高圧を加え、その崩壊定数変化の研究を行った。この研究は原子核物理学や地球科学の分野で興味が持たれている。 自然界の^<40>Kからのバックグラウンドガンマ線を除去するため、鉛シールドによる方法とガンマ線の位置検出可能なコンプトンカメラを用いた方法を比較検討した。後者はコンプトンカメラでガンマ線源の位置を押さえ、バックグラウンドガンマ線を除去する新しい方法である。結果として、約94%のバックグラウンドガンマ線を除去することに成功した。これは、ゲルマニウム検出器全体を厚さ約4.7cmの鉛でシールドしたことに相当する。今回の実験では統計量が重要であるため、検出効率が鉛シールドしたクローバーゲルマニウム検出器の場合よりも10^<-5>も小さいこの方法よりも、10cm厚の鉛シールドを用いた方法を採用することにした。 統計量を増やす必要性から、ダイヤモンドアンビルよりも多くの線源を充填できるよう、新しい圧力装置の開発も行った。圧力装置への線源の充填、圧力の印加、高圧測定は高エネルギー加速器研究機構の放射光施設で行った。 高圧下では軌道電子はより中心の原子核近傍に配位するようになり電子捕獲率が変化すると考えられるので、これの理論的な見積もりを行った。 高圧下の^<40>K崩壊定数変化の測定は理化学研究所のプレハブ実験室で行った。8.7GPa、11.4GPa、20.1GPaの高圧下での崩壊ガンマ線を測定した。得られた崩壊定数変化量に対して統計誤差のみを考慮すると10^<-2>の測定精度の実験であった。問題点として、ゲルマニウム検出器の度々の故障、鉛シールドの固定法、データ収集系の安定性、ガンマ線スペクトルの解析方法の確立等が考えられる。今後も測定を続けて統計量を増やし、10^<-3>の測定精度における崩壊定数変化量の決定を行いたい。
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