研究課題/領域番号 |
15340091
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 (2004-2005) 独立行政法人理化学研究所 (2003) |
研究代表者 |
PATRICK Strasser (STRASSER Patrick / PATRICK STRASSER) 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (20342834)
|
研究分担者 |
岩崎 雅彦 独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 主任研究員 (60183745)
松崎 禎一郎 (松崎 禎市郎) 独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 副主任研究員 (10134842)
石田 勝彦 独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 副主任研究員 (70176189)
松田 恭幸 独立行政法人理化学研究所, 岩崎先端中間子研究室, 研究員 (70321817)
谷口 秋洋 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (10273533)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
|
キーワード | ミュオン / 固体水素 / イオン源 / ラジウム / ミュオンX線 / イオン注入 / 不安定核 |
研究概要 |
この研究は、ラジウム同位体イオンを固体水素薄膜に照射し、不安定核のミュオン原子を作ることを提案するものである。初年度においては、ラジウム同位体のイオンをつくるための新しいイオン源の設計と開発を進めた。二つの異なった手法について調査を行った。(1)表面イオン化型イオン源、放射性物質が熱せられると、イオン化され真空中に放出される、(2)α崩壊反跳生成物型イオン源、α崩壊で反跳した核をガス捕獲/イオンガイド装置に導く。同種のイオン源を製作した研究者と連絡をとり、それぞれの型の利点・欠点を評価した。一番目の型では、イオン源の放射線強度は、放射性同位体の寿命に依存し、寿命が長いほど、放射線強度は少なくてすむ。一方、二番目の型では、イオン源の放射線強度は植え込みに必要なイオンビーム強度に主に依存する。これを考慮すると、表面イオン化型の方がイオン源の放射線強度を少なくできることから、われわれの目的によりあったものとなる。研究の二年目の課題は、主にラジウム同位体のイオンをつくるための新しいイオン源の設置である。この目的のために、アルカリ・アルカリ土類元素に対し高いイオン化効率を持つ表面電離型イオン源が選択された。現在既に、表面電離型イオン源及びイオンを抽出して加速させるための新収速電極ユニットが製作されており、また、この新システムを高真空にするためのターボ分子ポンプ排気系も新たに整備された。三年目には、イオン源として表面電離型イオン源が採用された新しいシステムでの実験に向けて、まず、そのイオン源やビーム光学系などシステムの最適化が図られた。最適化は、京都大学原子炉実験所において、バリウムの安定同位体により行われた。バリウムはラジウムと同族であり、同程度のイオン化エネルギーを持つため、ラジウムでの実験に向けた調整等には最適であり、また、不安定核であるラジウムに対する実験を行う際にも、イオン源のアイオナイザー内部に、安定同位体バリウムをマーカーとして混入しておけば、このマーカーで調整や最適化を行った後、そのまま、不安定核イオンへの切り替えができるので、効率的な実験が可能となる。その結果、想定される焦点位置において、数ミリメートルのビーム・スポットサイズで、約1マイクロアンペアのバリウムイオンビームの生成が観測されるとともに、数時間にわたり安定したビーム強度が得られ、実験上必要とされる条件を十分に満たしていることが確認された。そして、平成18年1月、英国・ラザフォードアップルトン研究所(RAL)のRIKEN-RALミュオン施設の装置に、この新システムが設置された。今後、ラジウムを用いた実験に向け、まず、バリウム同位体イオンを固体水素薄膜に照射し、バリウムミューオン原子の生成実験などを行う予定である。
|