研究課題/領域番号 |
15340101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 大阪大学 (2004) 大阪市立大学 (2003) |
研究代表者 |
金崎 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (80204535)
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研究分担者 |
谷村 克己 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00135328)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
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キーワード | 半導体 / 表面 / 電子励起 / レーザー / 新構造相 / トンネル顕微鏡 / シリコン / トンネル分光 / 新構造層 / 半導体表面 / 光誘起結合切断 / 電子励起効果 / レーザー光 / 空格子点 |
研究概要 |
Si(001)-(2x1)表面において発生する電子的な結合切断と新表面構造相について以下の結果を得た。 1)電子的結合切断のサイト選択性について 空格子点の同一ダイマー列上における隣接ダイマーサイトでの効率的結合切断により、ダイマー列に沿った方向に伸びた空格子点stringが効率的に生成される。 2)強励起下における積層ダイマー形成について 励起強度が100mJ/cm^2以上の強励起下において、空格子点生成と共に、表面での積層ダイマー形成及び成長が誘起される。このアドダイマーの形成により、平坦な新表面構造相の創製が阻害される。 3)表面ダイマー除去により露出される新構造相の構造的・電子的性質について (1)占有状態において、一つの基本格子に2つの輝点(間隔3.6A)を示すトンネル顕微鏡像を示す。この輝点の位置は、第二層原子位置に対して、ダイマー列方向について半位相ずれていることを明らかにした。 (2)新構造相のトンネル分光スペクトルでは、最外層ダイマーの非共有電子対に起因するフェルミ準位近傍の電子状態が完全に消失し、2〜2.5eV程度の広い表面バンドギャップを示す。 4)価電子系集団励起(プラズモン励起)による半導体表面構造変化の不安定性について 電子線照射によりシリコン表面の最外層原子が消失して空格子点が生成されることを示し、以下に挙げるように、電子線誘起構造変化の特徴及び効率の励起強度・エネルギー依存性を明らかにした。 (1)主要な生成物は孤立空格子点であり、また、その生成効率は強いサイト選択性を示す。 (2)空格子点生成効率が励起強度に対して線形である。 (3)空格子点生成断面積は15-30eVの領域で電子線エネルギーの増大と共に急激に減少する。 以上の結果より、プラズモン励起を始状態とする半導体表面構造の不安定性についてのモデルを他のグループに先駆けて提案した。
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