配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2005年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2003年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
量子渦はボース凝縮系に特有な位相欠陥である.その物理に関し,近年,超流動ヘリウム、および中性原子気体ボース・アインシュタイン凝縮系において著しい発展が見られている.それぞれの系において,得られた成果を列挙する。 超流動ヘリウム (1)超低温超流動3Heにおいて,速度に依存しない超流動乱流への遷移を発見した.(2)超流動乱流のエネルギースペクトルが,古典乱流の最も重要な統計則であるコルモゴロフ則を満たすことを見いだした.(3)極低温度域における乱流及び渦の減衰過程として,ケルビン波カスケード過程が起こることを発見した.(4)回転する容器中の超流動乱流を調べ,回転軸方向に分極した乱流状態が生じることを示した. 中性原子気体ボース凝縮系 (1)回転する2成分ボース凝縮体において,回転振動数と成分間相互作用に依存して特異な渦格子構造が出現することを見いだした.(2)回転するボース凝縮体の渦格子形成の3次元ダイナミクスを明らかにした.(3)軸方向に長い軸対称ポテンシャルに閉じ込められた2成分ボース凝縮体の多重ドメイン形成の機構を明らかにした.(4)2成分ボース凝縮系の4重極振動とシザース・モードの非線形結合のダイナミクスを調べた。(5)回転する2成分ボース凝縮体のスピンテクスチャーについて調べた.(6)ボース凝縮体とノーマルなフェルミ粒子からなる系において、回転振動数および成分間相互作用に依存した基底状態を明らかにした。
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