研究課題/領域番号 |
15340127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
戸嶋 信幸 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (10134488)
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研究分担者 |
日野 健一 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 助教授 (90228742)
トン ショウミン 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 講師 (80422210)
五十嵐 明則 宮崎大学, 工学部, 助教授 (90300855)
崎本 一博 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (60170627)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
16,300千円 (直接経費: 16,300千円)
2006年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 反陽子 / 反水素 / 陽電子 / プロトニウム / 原子衝突 / 共鳴散乱 / 相対論的効果 |
研究概要 |
計画当初は時間依存波束法と動径部分のみ古典軌道とした半古典手法を用いて、反陽子と水素原子、水素様イオン、水素負イオン、ヘリウム原子、水素分子イオンの電離とプロトニウム生成機構を研究した。捕獲の全断面積は精度よく求めることが出来たが、各量子状態への個別の捕獲断面積はこの手法では求めることが出来なかった。これは関連するチャンネル数が数万にも及び計算機コードの規模と計算時間の両面に置いて実行不可能であったからである。研究期間途中でトンショウミンを分担者に迎え、トンと戸嶋の共同によって「因果律を利用した散乱問題の新手法」を開発した。これは散乱方程式のうちグリーン関数を含む散乱は部分のみを計算することにより、多チャンネル問題における境界条件にまつわる困難を回避するものである。この新手法によって反陽子捕獲の各量子状態への精密な部分断面積を求めるのに成功した。また、負のミューオン捕獲過程にも適用し、長年の課題であった重い負粒子の捕獲過程における未解決問題を一挙に解決した。反陽子ヘリウムの生成過程であるヘリウム原子と反陽子の散乱問題への適用にも成功し、長寿命ヘリウム生成過程の理論解析に大きな進歩を加えた。 陽電子による原子の散乱過程では、独立な過程のように扱われてきた陽電子・原子衝突におけるポジトロニウム生成と陽電子消滅を、複素ポテンシャルの導入によって統一的に記述することに成功した。いくつかの共鳴が重なったエネルギー領域の共鳴状態の解析において、時間遅れ行列を利用することで、共鳴構造が把握でき、あいまいなく共鳴解析ができることをヘリウムとポジトロニウム負イオン系において示した。
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