配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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研究概要 |
Y字型複合共振器法によるファイバーレーザーアレイ,レーザーダイオードのコヒーレントアレイ化によるビーム結合の研究を行った。N個のファイバーレーザーをN×N等分岐比ファイバーカップラーで近視野結合して複合共振器を構成することで,N個の出力ポートのうち,ひとつのポートから約N倍に加算された単一出力をファイバー長無制御で得ることができる。これはN本のレーザーアームの多重干渉からなる実効的反射率が最大の波長で加算モードが選択的に励振されるためである。N=2,4,8のEr添加ファイバーレーザーについて実験を行い,94,96,85%の高い加算効率が得られた。線形理論に基づく簡単なスケーリング理論を構築し,共振器長の異なるコヒーレントアレイにおいては結合法によらずアレイ数8〜10個がコヒーレント加算の限界であると分かり,実験,シミュレーションの結果と一致した。この際Verinier効果によりスペクトルの狭帯域化が起こり,狭線幅高出力ファイバーレーザーとしての可能性を見出した。またこの8個のコヒーレント加算スーパーモードの閾値を制御することで,掃引速度1kHz以上,コントラスト比100以上の高品位コヒーレントビーム方向制御を実証した。更に時間領域への応用として複数超短パルスレーザー合成による高調波モード同期が可能であることを見出し,予備実験においてモード抑圧比40dB以上の20次高調波サブピコ秒パルス列を得ることに成功した。このように,コヒーレントアレイにより複数レーザーのパワー・輝度スケーリングだけでなく,多様な新機能レーザーが実現できることを明らかにした。
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