研究課題/領域番号 |
15340133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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研究機関 | 大阪大学 (2004) 総合研究大学院大学 (2003) |
研究代表者 |
井元 信之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00313479)
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研究分担者 |
小芦 雅斗 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90322099)
山本 俊 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, COE特任助手
SAHIN Kaya Ozdemir JST-SORST, 平山チーム, グループリーダー(研究者)
OZDEMIR Sahin, Kaya JST-SORST, Hirayama Team, Group Leader
OZDEMIR Sahin Kaya 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 客員助教授
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2003年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | 量子情報処理 / 線形光学量子演算 / 量子ドット / エキシトン / 量子ゲーム / エンタングルメント / 量子暗号 / 量子多者間コンピューティング / 量子光学 / 量子コンピューティング |
研究概要 |
量子情報処理の実現には非現実的なほど強大な非線形光学効果が必要と言われていたが、2001年以来、ベル光子対発生に必要なパラメトリック下方変換程度の弱い非線形光学効果やビームスプリッターおよび偏光ビームスプリッターなどの線形光学素子を使ってもかなりの量子情報処理ができることがわかって来た。本研究はハード面として半導体量子ドットのエキシトンを用いる量子情報のデコヒーレンスやエンタングルメントを、ソフト面として線形光学を用いるエンタングルメント操作や量子ゲームの可能性を追求したものである。 量子ドット間の線形相互作用と現実的非線形相互作用(クーロン相互作用)の下でエキシトン状態のダイナミクスの厳密解を求めた。その結果二つのドット間に強いエンタングルメントを誘起させ得ることを明らかにした。またコヒーレント状態の偶状態(+の重ね合わせ)と奇状態(-の重ね合わせ)をqubitとする場合のデコヒーレンス耐性、デコヒーレンスのドットサイズ依存性を明らかにした。 線型光学を用いる量子演算を簡単なものからエンタングルメント抽出まで体系化した。特に光子カウンターが不完全な場合についてそれぞれの演算の動作について数値的に解析し、現在のカウンターでも高い忠実度でいくつかの演算が可能なことがわかった。 量子ゲーム理論では、非協力型ゲームにおけるエンタングルメントと古典相関の役割を比較し、一般には前者の方がゲームの様相に与える影響は大きいが、初期状態の選択等よっては後者の影響が大きい場合もあることがわかった。また、古典ゲームの拡張として量子ゲームを考えた場合、エンタングルメントの種類によっては拡張になり得る場合とそうでない場合があることがわかった。たとえばGHZ型三粒子エンタングルメントは特別な場合として古典ゲームを含み得るがW型の場合はそうではない。 強い非線形性を用いない量子情報処理としてB92量子暗号の無条件安全性を理論的に検討し、安全条件を求めた。これは1997年にBB84安全性証明が行われて以来の懸案を世界で初めて片付けたものである。固別盗聴に限定した場合から無制限盗聴まで対象とした。また、現在考えられている量子暗号は実質的に鍵配送だけであるが、それを秘密分散に拡張する実際の方法を示した。
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