研究分担者 |
下條 竜夫 兵庫県立大学, 理学部, 助教授 (20290900)
小杉 信博 分子科学研究所, 極端紫外光科学研究系, 教授 (20153546)
初井 宇記 分子科学研究所, 極端紫外光科学研究系, 助手 (40332176)
彦坂 泰正 分子科学研究所, 極端紫外光研究施設, 助手 (00373192)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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研究概要 |
本研究の当初の目的は、現在分子研で開発中の高効率ダブルトロイダル電子エネルギー分析器(DTA)の優れた性能(エネルギー分布と角度分布を一時に計測可能)を最大限活かした新しい実験手法を開発し、分子の内殻電離しきい値近傍で観測される新奇な諸現象に関して、その原因究明に通ずる新たな情報を得ることであった。ところが,研究を進める内に,DTAの二次元検出器が故障し修理不能になった。更に,真空紫外発光分光器や中性種検出器を用いた実験研究を進める中で,分子の内殻電離しきい値近傍で特異的に観測される興味深い現象を発見するに至り,DTAの利用実験から若干の方向転換を決断した。 研究期間中に新たに見出した、分子の内殻イオン化しきい値に対応する光エネルギー位置のピーク構造の成因である中性励起種に関して,その生成メカニズムを探求するために,中性種検出器とイオン検出器を対向させた新しい実験装置を作製した。これを用いた実験から,二原子分子の内殻電離しきい値近傍では,中性解離種とイオンが対となって生成していることが判明した。これは,イオン化しきい値より下側では,傍観型共鳴オージェ過程により生成する高励起一価分子イオンが解離するというメカニズムで説明された。一方,しきい値の上での生成は,光イオン化により生ずる低速な光電子が,後続するオージェ過程により放出される高速なオージェ電子との相互作用,いわゆるPCI効果によって解離イオンに再捕獲されることが原因と帰結された。更に,時間分解により蛍光の寄与を低減させ,中性解離種を角度分解検出することで、多電子過程を効率的に検出すると同時にその対称性も決定できる新しい分光法を開発することに成功した。
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