研究分担者 |
新谷 昌人 国立大学法人東京大学, 地震研究所, 助教授 (30272503)
今西 祐一 国立大学法人東京大学, 海洋研究所, 助手 (30260516)
渡辺 好徳 東光サービス株式会社, FAシステム製造部, 研究員
WATANABE Yoshinori TOKO ESCO, Lid.FA system production division, Researcher
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研究概要 |
本研究は,次世代地震学のために,気温や気圧変化に依存しにくいサブナノメータの位置検出技術を開発し,安定に10^<-9>g以下の加速度測定を0.03Hzから100Hzで実現するための地動計の開発である.以下に成果を示す. 1.検出ノイズを減らすために,地震計用の高安定(10^<-6>以下)・低ノイズ(-130dBV以下,1Hz以上)DC電源を開発した. 2.永久磁石による錘の磁気浮上を使用した無定位回転型振り子を使い,可搬型実用モデル地動計を3台製作して動作を確認した.地動計は,a.振り子の錘に働く気圧の影響の補正機能(補正用の浮き),b.気圧影響除去用の隔絶容器,c.容器壁を介して錘の重心位置を動作させる機構,d.容器から振り子の変位信号を取り出す端子e.振り子の位置制御を行うフィードバックコイルに電流を導入する端子を装備している. 3.隔絶容器はないが1の電源を装備した本地動計が,1Hz以上の周波数ではSTS-IIと同等以下(10^<-10>(m/s)/Sqrt(Hz))のノイズレベルであることを確認した. 4.地下トンネルでの観測を考慮して光ファイバー入出力のスケールを開発した.光ファイバーによるスケールへの半導体レーザー光の導入,フォトダイオードへの光導出を採用した.このことで,センサー本体が設置してある湿気のあるトンネルやボアホールから半導体レーザーなどの回路を1km以上離して,環境の良い場所に置けるようになる.また,半導体デバイスなどの熱源をレーザースケールから離すことができ,温度変化によるスケールの伸び縮みを軽減でき,0.1Hz以下のノイズ低減に目処をつけた. 5.2の開発した地震計を使い,予備的な地球背景地動の観測をSpring-8のサイトで行った.ほぼCMGと同等の測定結果であった.0.1Hz以下の長周期側のノイズレベルは,CMGより数倍上で10^<-7>m/s程度であった.
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