配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
領域気候モデルの気候状態再現程度を見るため,MM5を用いて1ヶ月積分を行った結果,MJO東進に伴う大規模な雨域の移動を再現することができること、ごくおおまかなパターンの再現性は良いが細かなパターンは対流パラメタリゼーションのスキームによってかなり違うこと、降水量の絶対値がパラメタリゼーションによって大きく違うことが分かった。インドシナ半島に上陸する台風の移動とその衰弱や内陸の降水システムについても、ほぼ再現することに成功した。 降水日変化の機構を調べるため、夜半から朝に降水極大が生じるバングラデシュの降水日変化ついて領域気候モデルによるシミュレーションを行った。その結果,これまで推測されていたようなバングラデシュ北東に位置するメガラヤ高地からの冷たい夜間の山風が南西季節風と収束を起こして降水が生じるのではなく,南西季節風がメガラヤ高地に直接吹きつけて強制上昇を起こしたり,前日の降水システムが作った冷気湖に乗り上げて強制上昇することにより降水システムが発生する事がわかった。また,夜間に起こるのは,水蒸気に富むベンガル湾からの気塊が,夜になると強い風速を保ったまま陸上奥地まで吹き込むためである事も判明した。 その他、モデル検証に必要なモンスーン変動の諸特性のデータ解析も進め、特に季節内変動と呼ばれる変動の内、10-20日周期変動に着目して詳細にその性質を調べた。 全球気候モデルに付いては、陸面の土壌水分および地温条件を固定したアンサンブル実験と、コントロール実験とを比較し、陸面過程の大気循環に与える影響度を測定した。結果として、主として地表の相対湿度が比較的乾燥した地域のみにおいて、陸面の条件が蒸発を規定していることが分かった。それらの陸地の上空では陸面の条件をリモートセンシング等で推測し一意に定めることができれば、予測可能性が向上する可能性があることが分かった。
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