配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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研究概要 |
河川システムの形状ならびに古水文学的特徴を評価するための定量的解析方法について検討を行い,野外観察から得られるデータに基づいて定量化できる方法をまとめた。露頭観察から識別される河川堆積物の形態的特徴について,連続的な露頭を利用して,地層境界面とこれによって識別される堆積物の特徴とその階層性について検討を行った。その結果,6つの階層構造が広く適用可能であることが明らかとなった。これらの階層構造のうち,最も空間的スケールの大きいチャネルベルト堆積物の特徴とそのシーケンス層序学的特徴を検討した。その結果,全体として大きく海進した時期に形成されたチャネルベルト堆積物を比較した場合,海進にともなってチャネルの規模,屈曲度,泥質堆積物の相対的な割合などに顕著な変化は認められない。これは,従来のシーケンスモデルとは異なる特徴である。温室期ならびに氷室期の河川堆積物を比較した場合,河川形態や河川形態の特徴から求められる古河川水文学的特徴に大きな変化は認められないことが明らかとなった。また,気候変動に対する河川システムの応答は必ずしも顕著に現れない場合の多いことも明らかとなった。前期白亜紀の地球環境が温暖化していった時期に日本ならびに中国東北部で形成された河川堆積物を比較検討した。その結果,両地域ともほぼ同様な規模と流量で特徴づけられる河川システムが発達していたこと,堆積盆地の埋積が進行するにつれて地形勾配が緩くなるのにともない,流量が減少し,河川チャネルの規模が縮小化するとともに,屈曲度が増加していたことが明らかとなった。
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