研究課題
基盤研究(B)
本研究によって、河川デルタ堆積系のオート層序学を開拓し、国外・国内学会にてその概念を初めて提唱した。オート層序学は大きなスケールで生起するオートジェニックな地層・地形形成過程の理解に根差した成因論的層序学の枠組みである。オート層序学の基本原理は次のように要約される。1.河川デルタ堆積系に作用する外的フォーシングが定常的であっても、それに対するデルタの応答は一般に非定常的であり、デルタが何らかの平衡形態を獲得する方向へ進化する必然性はない。定常的フォーシングのもとで河川デルタ堆積系は一般に非平衡応答をとる。2.下流域沖積堆積系における埋積傾向と削剥傾向の境界条件は海水準停滞ではなく、海水準下降である。この境界条件は、沖積勾配とデルタ前縁の海底基盤斜面勾配に依存する。海水準が停滞し続けるならば、下流域沖積堆積系は安定的に埋積し続け、平衡状態に到達することはない。3.河川-デルタ系で進行するオートジェニックな応答には、系の進化課程でただ一度しか起こらない決定論的応答と、繰り返し起こる確率論的応答とがある。不連続的・離散的な地形や地層であっても、それらは定常的フォーシングに対する系のオートジェニックな応答の所産でありうる。4.堆積系に及ぼされるフォーシングがそれぞれ一定値と周期性をもつものであっても、それらに対する層序応は一般に非線形である。線形和のアイデアに囚われると、フォーシングの復元を誤るところとなる。堆積系は堆積物の供給を受けて成長する一方であるから、シークウェンスの初期条件はシークウェンスが形成されるたびに変わる。5.海水準変動のもとで河川デルタ堆積系は応答時間を規制する固有のスケールを有する。
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