研究分担者 |
吉田 善章 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80182765)
森川 惇二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70192375)
三戸 利行 東京大学, 核融合科学研究所・大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
柳 長門 東京大学, 核融合科学研究所・大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
岩熊 成卓 九州大学, 工学部附属超伝導科学研究センター, 助教授 (30176531)
|
配分額 *注記 |
16,400千円 (直接経費: 16,400千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
|
研究概要 |
Mahajan-Yoshidaにより提唱された二流体緩和理論に基づく超高ベータプラズマ閉じ込めを目指して,内部導体装置Mini-RTでECHプラズマ実験を推進している.Mini-RT装置では代表的な磁場強度が0.1T程度であり,2.45GHzの高周波によりプラズマの生成・加熱を行っている.2.45GHzのカットオフ密度は7.4x10^<16>m^<-3>であるので,高密度を得るには,電子バーンシュタイン波(EBW)へのモード変換などの手法を活用する必要がある.我々は弱磁場側からのX-mode入射を用いたEBWへのモード変換を期待して実験を行っている. 現在までに得られた実験結果によると,内部導体コイルを浮上させた状態では1.5x10^<17>m^<-3>という,カットオフ密度の2倍程度のOver-denseプラズマが実験的に観測された.これがEBWへのモード変換の結果なのかは,さらなる実験的評価が必要であるが,カットオフ密度を超えるプラズマが得られていることは確実である.なおEBWへのモード変換のためには,磁場強度と密度勾配の積が,ある一定の値より小さいことが必須である.磁場が0.1T程度では,密度勾配が1cm以下であることが要求される.内部導体コイルを浮上させる,または引上げコイルを用いてセパラトリックス配位を形成すると,セパラトリックス磁気面近傍で急峻な密度勾配が形成できる.このことも,EBWへのモード変換の可能性を示唆している. ところで内部導体系では磁場強度が急峻に弱くなるので,トーラス外側部に,高次共鳴面が沢山現れる.プラズマ密度を上手く調整するとUpper Hybrid共鳴を動かすことができるので,異なった高次共鳴面間のEBWへのモード変換を引き起こすことが出来る.ここではそのような実験を行ったところ,EBWによる電子加熱と思われる電子温度のピーク値の場所が動く実験結果が得られた.以上,弱磁場装置における電子サイクロトロン周波数帯での高密度プラズマ生成の手段としてEBWが有効である可能性が示せた.これは今後の超高ベータプラズマ研究に向けた重要な基盤となる研究成果であるといえよう.
|