研究課題/領域番号 |
15350007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中野 晴之 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90251363)
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研究分担者 |
渡邉 祥弘 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (20315055)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 電子状態理論 / 大規模系 / インターフェース系 / 電子相関効果 / 相対論的効果 / 多配置摂動論 / 電子相関問題 / 励起スペクトル / 光分解反応 / 相対論的基底関数 / CASVB法 / 非直交密度汎関数法 / 超局在化軌道 / 多配置SCF法 / 多参照摂動論 |
研究概要 |
本研究は、大規模系の精密電子状態理論の開発とそのプログラムパッケージの開発を行い、大規模系として特に、比較的小さな分子部分と環境を与える大きなバックグラウンド部分からなるインターフェース系に焦点を絞り、これまで精度良く扱うことの難しかった非経験的分子軌道計算を現実のものとすることを目的とした。とりわけ、以下に記すように、1.大規模系の電子相関理論、特に多参照を基礎とした摂動論MC-QDPTの開発、2.大規模系の相対論的分子理論の開発、3.1,2を計算機上に実装した効率的なプログラムの開発、4.これらを利用した電子構造、化学反応の解明、に焦点を絞り研究を行った。 1.大規模系の電子相関理論においては、高度に電子相関を取り込むことができ、かつ、計算効率がよいことが不可欠な要素である。多配置摂動論を有効に活用し、最適化されたハミルトニアン分割を用いた多参照摂動論、最大収束半径摂動論などを開発した。また、非直交局在軌道を用いた密度汎関数法であるPFMO Kohn-Sham法もあわせて開発した。 2.重い元素を含む大規模系では、電子相関とともに相対論的効果を含む取り扱いが重要である。4成分多参照摂動論relativistic GMC-QDPT、4成分多参照配置間相互作用法、および、これらに用いられる相対論的Gauss型基底関数の開発を行った。 3.1,2の手法を、量子化学プログラムUTChemの一部として計算機上に実装した。 4.1,2の成果を基に、ケイ素炭素クラスターの安定構造、層状無機化合物の鋳型効果、長鎖ポリエンの電子状態、NOのアンモニアによる選択的触媒還元、メロシアニン色素分子の構造と電子励起状態、CASVB法による化学反応ダイナミクスと結合の記述法、OHラジカルによるメチルビニルエーテルの酸化連鎖反応、ジケトンの光分解反応、遷移金属アクア錯体の励起スペクトル、窒素混乱ポルフィリンの励起状態など、大規模系を含む多くの系に対する適用を行うことができた。
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