配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
本研究では、高度に構造の規制されたシラノールを合成し、それを無溶媒反応によって脱水縮合させることで、例えばナノサイズのチューブのような特異な構造を有するシロキサンを合成することを目的とした。この研究を通じて、以下に示すような新規知見を得、発表した。 1)6員環のシラノール、シクロトリシロキサントリオールのcis, cisおよびcis, trans-体、8員環のシラノール、シクロテトラシロキサンテトラオールのすべての異性体(cis, cis, cis ; cis, trans, cis ; cis, cis, trans ; trans, trans, trans-体)をすべて、立体特異的な分子変換により合成した。特に後者は、理想の材料として広く注目を集めているラダー型シルセスキオキサンの有効な原料として機能し、5、7、9員環およびラダーポリシルセスキオキサンの原料となることが明らかになった。 2)原料および試剤を検討することにより、無溶媒反応をシロキサン合成に一般的に適用できることを明らかにした。具体的には、シラノールを原料とし、p-トルエンスルホン酸を加えることで、溶液反応では得ることのできない歪みのかかった構造を有するシロキサンを選択的に合成できた。また、更に一般的な試剤を探索し、臭化水素酸、ヨウ化水素酸の共存により、収率よく目的とするシロキサンを合成することができた。これらの結果は、溶媒を使わない事によるコストの削減、および環境に対する配慮を行うことができるだけではなく、溶液反応と相補的に、目的とする化合物を得ることができることを示している。
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