研究課題/領域番号 |
15350035
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三吉 克彦 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (60033924)
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研究分担者 |
水田 勉 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70221603)
久保 和幸 広島大学, 大学院理学研究科, 助手 (90263665)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | リン架橋[1]フェロセノファン / ヘテロ2核錯体( / ホスフィノボラン / メタラホスフィノボラン / ジホスフィン / ビスCpホスフィン / ナフタレン / 多量化 / ヘテロ2核錯体 / 鉄 / ツビッターイオン錯体 / リン架橋[1.1]ferrocenophane / 2重架橋リン配位子 / コバルトアルキル錯体 / 配位不飽和錯体 / Heck型反応 / 電子移動 / リン架橋[1.1]フェロセノファン / コバルト錯体 / メタラジホスフィンキレート / ヒドロホスフィニレーション / パラジウム触媒 / ダブルヒドロホスフィニレーション / リンヘテロ環 / 歪み化合物 / リン架橋2核錯体 / 触媒反応 / チタノセン |
研究概要 |
多核金属錯体の合成には、複数の金属を結びつける架橋配位子が必要である。本研究では、リン原子を鍵元素とした新規な架橋配位子の合成を目的として研究を進めた。 ピリジンをアームとしてもつリン架橋[1]フェロセノファンを合成しこれをW(CO)_4に配位させたものにPd(PMe_3)_2フラグメントを反応させた。その結果、Pdが歪んだP-C結合に挿入したヘテロ2核錯体が生成した。生成した錯体では、WとPdが同時に相互作用できるサイトで選択的に配位子の置換反応が起こった。 ホスフィノボラン(R_2P=BR_2)は,ホウ素とリンとの間にπ結合を有する。このπ結合は、アルケンに比べると弱く、容易に開裂して多量体を生じる。今回我々は、リン上の置換基を遷移金属錯体としたメタラホスフィノボランを合成を試みた。その結果、メタラホスフィノボランそのものは単離できなかったが、これを中間体として経たと考えられる2量体の合成に成功した。X線解析の結果より、この2量体では,2つの鉄フラグメントがP_2B_24員環によって架橋された構造をしていることが判った。 新たな架橋配位子として、ナフタレン骨格でP-P結合を補強した配位子を合成し、2核錯体合成へ利用した。1,8ジリチオナフタレンと過剰のPhPCl_2との反応により目的の配位子を合成した。この配位子はP-P結合に対して2つのフェニル基がtrans配置となっていた。この配位子を用いて、2つのリン上にM(CO)_5フラグメントを導入すると2つのメタルフラグメントがcisおよびtrans配置となった2核錯体が得られた。これらの錯体における架橋部は、期待したとおりの熱的安定性を示した。 シクロペンタジエニル配位子(Cp)をアンカーとした架橋配位子は、2つの金属中心を安定に架橋するという目的に適している。この観点から、リン上に2つのCp基をもつ架橋配位子系を検討した。P(=S)Ph架橋[1]フェロセノファンを,P(OMe)_3共存下で光照射するとCp環の1つが鉄から外れ,Lを取り込んだ錯体を与えた。この外れたCp環へM(CO)_3(NCMe)_3(M=Mo, W)と反応させると、2つのCp環がリンで連結された鉄-Mヘテロ2核錯体が得られた。
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