配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
|
研究概要 |
本研究では、哺乳類大脳において情報伝達の機能を担っている分子,イオンを,脳の機能単位である領野ごとに,"生きた"組織のその場(in situ)で検出する微小センシング法をバイオ素子及び脂質分子膜を用いて創製することを目的とし以下の研究を行った.マウス脳海馬において虚血刺激により放出されるグルタミン酸を検出するガラスキャピラリー酵素センサー及びグルタミン酸フラックスを測定する酵素膜イメージング法を開発した。実際に虚血下のマウス脳海馬スライスでのグルタミン酸のその場検出に応用し、各神経領野から放出されるグルタミン酸量が異なること(CA1,CA3>DGの序列)及び両方法の結果が一致することを示した。また、GABA刺激によって放出されるグルタミン酸をその場で検出するパッチ膜センサーにより、グルタミン酸放出は、DG, CA1>>CA3の序列となり、CA1での放出にはGABA_Aレセプターが関与、CA3ではGABA_Bレセプターが抑制的に関与していることを示した。さらにグルタミン酸刺激により放出されるアラキドン酸を検出するパッチ膜センサーを開発し、各領野から放出されるアラキドン酸量はCA3>CA1【approximately equal】DGであることを明らかにした。また関連した研究として、グラミシジン単一チャンネルを包埋した平面脂質二分子膜(tip-dip法による)では、チャンネル分子とは独立に存在するレセプターが膜界面でリガンド(アナライト)を認識することによって、チャンネルの開閉キネティックスが変調されることを示し、新たなチャンネルセンサーとして提案した。また、膜の安定化にアガロース支持二分子膜が有用なことを示した。
|