研究課題/領域番号 |
15350060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小澤 文幸 京都大学, 化学研究所, 教授 (40134837)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | ホスファアルケン系配位子 / パラジウム錯体 / ロジウム錯体 / ルテニウム錯体 / 脱水型アリル化触媒 / 共役付加触媒 / クロスカップリング触媒 / ヒドロシリル化触媒 / ジホスフィニデンシクロブテン / 脱水環化触媒 / π共役分子 / ヒロリドパラジウム錯体 / 脱アリル化反応 / クロスカップリング反応 / ヒドロシリル化反応 / ポリフェニレンビニレン / dπ-pπ相互作用 / (π-アリル)パラジウム錯体 / ヒドリドパラジウム錯体 / アリル化触媒 / 脱アリル化触媒 / 脱水素シリル化触媒 |
研究概要 |
(1)ジホスフィニデンシクロブテン配位子(DPCB-Y;Y=OMe,H,CF_3)の立体的・電子的特徴をメチル白金およびメチルパラジウム錯体を用いて解析し、この配位子がジホスフィンとジイミンのほぼ中間のσ供与性を有し、かつこれらの配位子と比べてはるかに強いπ受容性を持つことを示した。 (2)DPCB-OMeパラジウム触媒を用いるアリルアルコールとアニリンとの脱水縮合反応(アニリンのN-アリル化反応)の機構について、想定される反応中間体のモデル錯体と実際の触媒反応に対する速度論的解析を組み合わせて検討し、ヒドリドパラジウム錯体を中間体とする新しいC-O結合切断機構を提案した。 (3)DPCB-OMeパラジウム触媒用いて、官能基許容性と反応性に優れたアリルエーテル類の脱アリル化反応、(b)cis-2-ブテン-1,4-ジオールと活性メチレン化合物との脱水環化による2-ビニル-2,3-ジヒドロフラン類の新規合成法を開発した。後者は副生成物が水のみであり、原子経済性に優れた反応と言える。 (4)カチオン性錯体[Pd(MeCN)_2(DPCB-Y)](OTf)_2および[Rh(MeCN)_2(DPCB-Y)](OTf)を合成し、それらの構造と反応性について検討した。前者はエノンに対するカルバミン酸ベンジルの共役付加に対して高い触媒活性を示した。 (5)DPCBパラジウムおよび銅錯体が、アリールハロゲン化物とアニリン類とのクロスカップリング反応、アリールブロミドと有機スズ化合物とのStille型クロスカップリング反応、臭化アリールと亜鉛シアニドとのクロスカップリング反応に対して良好な触媒活性を示すことを明らかにした。 (6)塩素架橋ルテニウム二核錯体[Ru(μ-Cl)Cl(CO)(DPCB-Y)]_2を合成単離し、この錯体が末端アルキンのシス選択的ヒドロシリル化反応に対して従来になく高い触媒活性と立体選択性を示すことを明らかにした。またこの反応利用して主鎖のビニレン基がすべてシス形に規制されたall-cis PPVの立体制御合成に初めて成功した。All-cis PPVは優れた製膜性を示し、紫外線照射下においてtrans-PPVに速やかに異性化した。この現象を利用して、ガラス基板上に発光性のミクロパターンを簡便かつ高精度に発生できることを明らかにした。
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