研究課題/領域番号 |
15350065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
八島 栄次 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50191101)
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研究分担者 |
前田 勝浩 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90303669)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2005年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | ポリフェニルアセチレン / らせん構造 / 誘起CD / 不斉増幅 / キラリティー識別 / 誘起らせん / 液晶 / らせん記憶 / キラリティー記憶 / 水中重合 |
研究概要 |
生体内では、らせん構造を有する生体高分子が自己組織化し、超分子構造体を構築し、高度の機能を発揮している。これら生体系が有するナノスケールの分子モジュールを人工的に構築するためには、これまでの共有結合に加えて、非共有結合を積極的に利用することが必要不可欠である。本研究では、研究代表者が独自に創成した概念である「高分子へのらせん誘起とその記憶」の分子レベルでの機構の解明とそれに立脚した新規誘起らせん高分子の設計・合成、水中への展開を目指し,以下に示す成果を得た。 1.側鎖に様々の亜リン酸エステル部位を有するポリフェニルアセチレン誘導体が光学活性なアミン存在下、DMSOや水中でらせん構造を形成し、長波長領域に誘起CDを示すことを見い出した。また、DMSO中で誘起されたらせん構造が光学活性アミンをアキラルアミンで置換することにより記憶できることを見い出した。さらに、フェニルエステル部位を有するポリマーが、温度や水の添加によってらせん反転し、その結果、一方の鏡像異性体のアミンを用いることにより、左右両方向のらせんを誘起し、さらに記憶できることを明らかにした。イソプロピル基やエチル基を有するポリマーでは、温度によるらせん反転は起こらず、水の添加によってのみらせん反転し、側鎖の置換基の嵩高さがらせん反転に重要な影響を及ぼすことが明らかになった。 2.1で得られたらせんポリマーの記憶は動的である。そこで、ジアゾメタンを用いて側鎖の亜リン酸エステル部位をメチルエステル化したところ、反応は不斉選択的に進行し、特にイソプロピル誘導体では、リン酸エステル部位の真のキラリティーに基づく大きなCDを示すことを見い出した。 3.「高分子へのらせん誘起とその記憶」の概念をさらに水中に展開させる目的で、側鎖にアミノ基を有するポリフェニルアセチレン誘導体の塩酸塩を合成し,光学活性な酸存在下、ポリマー主鎖にらせん構造を誘起した。得られたポリマーは、濃厚水溶液中でコレステリック液晶相を発現し、液晶場では希薄溶液中よりも極めてわずかのキラリティーに応答可能であることを見い出した。すなわち、らせんの片寄りが液晶場で著しく不斉増幅することを見い出した。また、液晶形成能を利用して配向フィルムを調整し、そのX線構造解析により、らせん構造を決定することに初めて成功した。
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