研究課題/領域番号 |
15350067
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子化学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
今栄 東洋子 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 教授 (80101161)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
|
キーワード | デンドリマー / テンドロン / 金属酸化物微粒子 / 酸化チタン / 酸化亜鉛 / 酸化セリウム / ナノロッド / シリカゲル / デンドロン / ハイブリッド / 環境低負荷組織体 / 紫外線遮断効果 / 環境低負荷システム / 光触媒 / 二酸化チタン / ゲスト分子 / ドーピング |
研究概要 |
本研究では、デンドリマーで被覆した金属酸化物微粒子を最適条件で合成し、これらデンドリマー・微粒子ハイブリッドの1次元及び2次元組織体及び線形高分子との高次ハイブリッドを構築し、マルチ機能センサーや環境低負荷システムあるいは金属酸化物デバイスとしての機能性を明らかにすることを目的とした。まず、親水性樹木状高分子を保護剤として微粒子の被覆処理を施し、光触媒機能をもつ酸化チタンナノ微粒子の合成を行った。微粒子は、二次凝集を起こさず、水に安定に分散した。微粒子の大きさと安定性は、デンドリマーの世代の違いよりも金属イオンとデンドリマーの混合比に依存し、デンドリマーの割合が多いほどサイズの小さな分散性の高い微粒子が生成した。酸化チタン微粒子を用いて水汚染物質の光分解を行ったところ、反応率は非被覆酸化チタン微粒子分散液より2倍以上高く、世代数が大きいほど反応性は向上した。光触媒機能をもつ水溶性酸化チタンナノ微粒子を取り囲む樹木状高分子は、保護剤であるとともにゲスト分子をドープする層として機能したと考えられる。本研究で合成した酸化チタン微粒子は水溶液中での光触媒物質として有効であり、環境負荷低減材料として期待できる。 次に、金属酸化物の微粒子をデンドリマーで被覆したハイブリッドを階層的に組織化し、マルチ機能センサーとしての能力を解明することを目的とする研究として、シランを焦点とするポリアミドアミンデンドロンと亜鉛イオンの混合比や用いるデンドロンの世代(G)を変化させてハイブリッドを合成し、水に安定に分散する酸化亜鉛ナノ微粒子を合成するための条件決定を行った。また、得られた分散性を維持するため、デンドロン-酸化亜鉛ナノ微粒子複合体を高分子膜にドーピングした。デンドロンを用いない場合、酸化亜鉛微粒子のサイズ分布は広く、平均サイズは9.3nmであり、それらは二次凝集をした。G3デンドロンを用いた場合には、粒子サイズの整った(平均サイズ3.8nm)安定な酸化亜鉛ナノ微粒子の分散水溶液が得られた。またXPS分析より、酸化亜鉛とG3デンドロンの共有結合(Zn-O-Si結合)が確認された。さらに、G3デンドロン-酸化亜鉛ナノ微粒子複合体を高分子膜にドーピングしたところ、電子顕微鏡での観察により、膜中でも酸化亜鉛ナノ微粒子(平均サイズ4.4nm)が十分に分散していることが確認された。本成果は、金属酸化物とデンドロンの階層的組織体を環境低負荷型光分解システムへ展開するための一歩である。
|