研究課題/領域番号 |
15350075
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石井 久夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60232237)
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研究分担者 |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40312673)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 有機半導体 / 多重内部反射型赤外分光 / 有機トランジスタ / 光誘起ドーピング / 変位電流測定 / 光電子収量分光 / イオン化ポテンシャル / 有機メモリ / ドーピング / 酸素 / 変位電流評価法 |
研究概要 |
本研究では、内部多重反射赤外吸収分光(MIR-IRAS)と光電子収量分光法(PYS)を用いて動作状態にある有機デバイスの界面や有機層の電子構造・構造・化学変化などを調べるという分光学的手法と、(ii)変位電流評価法(DCM)を用いたデバイス中の電気特性を評価するという電気測定手法を組み合わせることで、有機デバイスの動作原理の解明を目指した。 我々は、DCMを有機トランジスタに適用すると、素子中のキャリアに関して、蓄積量、トラップ量、空間分布などの重要な知見が簡便に得られることを見いだした。また、この手法により有機トランジスタの動作においては、ソース、ドレイン電極から有機層へのキャリア注入が重要であることなども見いだした。さらに、通常の不純物ドーピング現象に加えて、可視光を照射するとドーピングが増強される"光誘起ドーピング"現象も発見した。 MIR-IRASにおいては、n型半導体であるフラーレンを用いたFET構造の測定を行い、大気中での電圧印可によりフラーレンの赤外スペクトルに電界効果が生じることを見いだした。さらに、ペンタセンとポリチオフェンの薄膜のMIR-IRAS測定を行い、光誘起ドーピングではホストである有機半導体から不純物への電荷移動反応が光吸収により加速されていることを明らかにした。 光電子収量分光(PYS)においては、真空から常圧雰囲気までの環境で材料のイオン化ポテンシャルを測定できる光電子収量分光(PYS)装置の作成を行った。特に、従来の装置で問題となっていた6eVをこえるイオン化ポテンシャルが測定できないという問題を克服し、大半の有機エレクトロニクス材料のイオン化ポテンシャルをカバーすることに成功した。また、PYS測定が有機半導体/電極界面の電子構造評価にも応用できる可能性も示した。また、本手法に関しては、我々の技術指導にもとづき、住友重機械工業が有機EL素子材料評価のためのイオン化ポテンシャル測定装置として開発した。
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