研究課題/領域番号 |
15350077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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研究分担者 |
吉尾 正史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60345098)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | イオン性液体 / 液晶 / 超分子 / 自己組織化 / ナノ相分離 / 異方性 / イオン輸送 / 物質輸送 / ナノ構造 |
研究概要 |
分子の自己組織化を利用して、階層的な秩序構造を有する高機能性材料を構築していくことは、21世紀の重要な研究課題の一つである。特に、電子・イオン伝導性を有する有機材料は分子デバイス・情報材料・エネルギー材料への展開が期待されている。この中で、我々は、高イオン伝導性を示す有機溶融塩であるイオン性液体に着目した。本研究では、イオン性液体の構成部位となっているイミダゾリウム塩を液晶の自己組織化能を利用して多様な秩序を持たせて配列させ、低次元でイオンを異方的に輸送する材料を構築することを目的とした。イミダゾリウム塩を液晶誘導体化することにより、2種類の異方的イオン伝導材料が得られたので以下に示す。 (1)1次元イオン伝導性カラムナー液晶 親油性基およびイミダゾリウム基からなるブロック構造を有する扇状分子を設計・合成した。この分子は室温を含む幅広い温度範囲でカラムナー液晶性を示した。液晶相では、イオン性部位がナノ相分離によりカラムの内側に自己組織化することがわかった。カラムナー液晶に機械的なせん断を印加することにより、カラム構造をマクロスコピックなスケールで均一に配向させることに成功し、異方的な1次元イオン伝導性を温度の関数として初めて測定した。 (2)2次元イオン伝導性高分子フィルム 異方的イオン伝導構造を自己組織化により形成した場合、刺激により構造の変化しない安定な材料が必要な場合がある。そこで、メタクリル基を導入したスメクチック液晶性イミダゾリウム塩を合成した。これらの分子はスメクチックA相において、ガラス基板上で自発的にホメオトロピック配向したモノドメイン構造を形成した。この配向した液晶を光重合することにより、層状ナノ構造を有する自立性高分子フィルムが得られた。これらのフィルムは異方的な2次元イオン伝導性を示した。
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