研究課題/領域番号 |
15350090
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
|
研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
西畑 保雄 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 副主任研究員 (90218181)
|
研究分担者 |
水木 純一郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 上級研究主席 (90354977)
田中 裕久 ダイハツ工業株式会社, 主査
上西 真里 ダイハツ工業株式会社, 係長
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
|
キーワード | 触媒作用 / 自動車触媒 / 自己再生 / 放射光 / XAFS / X線異常散乱 / ペロブスカイト / 貴金属 / 触媒 / 自動車排ガス浄化 / X線異常分散 / 時分割 / ガソリンエンジン / 排ガス / 時分割XAFS |
研究概要 |
貴金属を複合させたペロブスカイト型自動車触媒(インテリジェント触媒)は、ガソリンエンジンの排ガス中の自然な酸素濃度の変動に対して構造的に応答することにより、貴金属の高分散状態を維持する。酸化雰囲気中ではパラジウムはペロブスカイト型構造のBサイト(酸素八面体の中心位置)を陽イオンとして占有し、還元雰囲気中では析出して貴金属ナノ粒子を形成する。充分高温ではパラジウムの周りの局所構造は可逆的に変化した。パラジウムがペロブスカイト結晶粒子への出入りを繰り返すために、貴金属粒子の凝集と粒成長が抑制され高い触媒活性を維持する。そのため、パラジウム使用量の大幅削減が可能である。一方、鉄の局所構造は安定なため、触媒全体としてペロブスカイト構造を平均的に維持することに寄与している。 この触媒はエンジン始動直後にも優れた触媒活性を示す。還元雰囲気下では、100℃もの低温域でさえ0価のパラジウムが表面に析出して来る。続く酸化雰囲気下では、200-300℃でパラジウムは0価から+2価に酸化され、400℃以上でペロブスカイト構造のBサイトへ戻ることが分かった。すなわちパラジウムの状態変化の可逆性は温度に依存している。また、時分割XAFSを10ミリ秒の時間分解能で測定し、パラジウムの状態変化が現実の排ガス雰囲気の変動周期(1〜4Hz)に十分追従するくらい速いことが明らかになった。 本研究により、パラジウムに引き続きロジウムと白金にも自己再生機能を付与することに成功した。インテリジェント触媒の技術は世界規模で深刻になっている貴金属の需給バランスの問題を解決し、触媒技術の世界標準となることが期待される。
|