配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2005年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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研究概要 |
ピペリジンなどの有機アミンを触媒とする芳香族アルデヒドとアセトンのアルドール反応において,SBA-15などのメソポーラスシリカを添加すると,アルデヒド転化率およびアルドール付加体の収率が飛躍的に向上した.シリケート添加による促進効果は,触媒が二級アミンの時に特に顕著であった.反応促進の要因としては,シリケートによる基質の濃縮効果,表面シラノールとアミンとの酸-塩基協同作用等が考えられた.アミン固定化シリケート(OFMS型触媒)は対応するアミン-シリケート混合系と同等またはそれ以上の活性を示した.また,OFMS型固体触媒は,含フッ素材料の合成にも有効であった. 多孔質シリケート-四級アンモニウム複合体(SOCM型触媒)がカルボニル化合物と活性メチレン化合物のKnoevenagel縮合反応において高い活性を示し,穏和な条件下,対応する□,□-不飽和エステル体を高収率で与えた.この複合体触媒は,Claisen-Schmidt型アルドール反応,Michael反応といった他の塩基触媒炭素-炭素結合形成反応においても有効であった.本触媒の活性は,アミノ基を触媒活性点とする従来型の「OFMS触媒」と同等あるいはそれ以上であった.本触媒は,いずれの反応においても再使用が可能であったが,使用回数が多いと活性が低下した. 特にMichael反応においてOFMS型触媒とSOCM型触媒の性能を詳しく検討した結果,以下のことがわかった.(1)OFMS型触媒は,Michael反応に対する触媒活性を極性溶媒中で示すが,非極性溶媒中での活性は低い.(2)SOCM型触媒は,非極性溶媒中でOFMS型触媒に比べて圧倒的に高い活性を示す.(3)SOCM型触媒の活性発現には,開口部付近の(SiO^-)^+NR_4部位が関与している.(4)SOCM型触媒は,固-液界面での層間移動触媒系とも言える.
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