研究課題/領域番号 |
15350130
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
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研究分担者 |
川内 進 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80204676)
戸木田 雅利 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30301170)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
14,600千円 (直接経費: 14,600千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | バナナ型液晶 / 強誘電特性 / キラリティ / キラルコンフォメーション / 散逸構造 / 高分子効果 / スメクチック液晶 / ベント分子 / バナナ型分子液 / 反強誘電性 / 液晶 / オキサチアゾール環 / バナナ型分子 / 自発分極 / 強誘電性 / 主鎖型高分子 / オキサチアゾーツ / ベントコア |
研究概要 |
液晶を形成する分子は一軸異方性の棒状形態を持つ。我々はこの一般的な常識にとらわれず、分子がベント形態(バナナ形状)を持っていても、液晶を形成することを明らかにした。このバナナ形状は大いに液晶の概念を変えるとともに、構造の対称性を低下させ、従来には見られないあるいは創成が難しいとされた液晶構造を簡単に設計できるようになり、"バナナ液晶ゾーン"と呼ばれる液晶研究の新しい分野が開拓されてきた。本研究もその一連の研究のひとつであり、新しいバナナメソゲンの開発とともに、高分子化への展開を図ったものである。 オキサチアゾール環をベントコアーに有し、異なるサイドウイング、アルキルテイルを有する一連のバナナ型液晶を、まず高分子のモデル化合物として取り扱った。これらの分子は、2,4-ジヒドロキシベンゼンをコアーとした古典的なバナナ型分子よりもベント角が小さいため、通常のネマチック(N)液晶、SmA液晶に加えて、より低温域にバナナ(Bx)相を形成することを見出した。このBx相は、層内で分子が液体的に充填している点ではSmA相とは変わりはないが、TGB相に類似ならせん構造、そして同時に反強誘電体としてのスイッチングを示す新規な相であることがわかった。高温域にいるN相、SmA相でモノドメイン化(従来の流動液晶相であるため、表面アンカリング等でモノドメイン化が可能)することで、Bx相の構造同定が極めて的確に行うことができたこと、またその強誘電スイッチング現象を利用した応用が現実的になったことなどの、大いなる展開を図ることができた。また従来からの重要な問題点、なぜアキラルな分子系からキラルな液晶相が発生するのかというという疑問に答えるため、われわれが最初に開発したクラシックバナナ分子系でのB_4相とB_2相のキラリティの相関を調べ、キラリティが両相へ昇降温でも保存されるという事実を見つけ、またNMR測定よりエステル結合の炭素のケミカルシフトが二つに観測される事実と合わせ、分子のねじれコンフォメーションがキラリティの起源であると結論した。また、バナナ強誘電スメクチック相では、各層が分極モジュレーションと呼ばれる特有の浪打現象をしめすことを見出し、自発分極の相互作用と層弾性のカップリングでこのような特異な現象が起こるとして、サイエンス誌に報告した。ただ、残念ことは、主要なもう一つのテーマである高分子性との相関については、十種近く合成したいずれの高分子も液晶の温度域が高くなったため、具体的な研究進展を図ることができなかった。現在本質的に高分子性と同じ効果を示す、2量体、3量体にターゲットを変換し、その液晶特性の検討を鋭意行っております。
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