研究課題/領域番号 |
15350133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金谷 利治 京都大学, 化学研究所, 教授 (20152788)
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研究分担者 |
西田 幸次 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80189290)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2004年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
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キーワード | 高分子 / 結晶化 / 流動場 / シシカカブ構造 / 臨海せん断速度 / 高弾性率繊維 / 高強度繊維 / 流動結晶化 / シシカバブ構造 / 繊維構造 / 小角X線散乱 / 小角中性子散乱 / 超高分子量成分 / 高分子結晶化 / せん断流動 / シシケバブ構造 / 偏光解消光散乱 / 広角X線散乱 / 異方性散乱 |
研究概要 |
現在、あらゆる高分子について、高強度、高弾性率繊維の開発に成功している訳ではない。この大きな原因の一つは、高強度、高弾性率を支えるシシカバブ構造の生成機構についてほとんど何も分っていないことである。本研究の目的は、シシカバブ構造の生成機構の詳細を解明することである。そのため、本研究では、以下の方針のもとに実験を進めた。(1)シシカバブ構造形成に影響を及ぼす因子(分子量、分子量分布、せん断速度、せん断歪み、温度など)を一つずつ分解して調べ、その役割を明らかにする。(2)シシカバブ構造はナノメートルからマイクロメートルまで非常に広い空間スケールで階層構造をとるため、測定の空間スケールを種々の手段を用いてなるべく広くとる。(3)高分子にあたえる流動はなるべくマイルドなものを用い、単純なシシカバブ構造形成過程が観測できる条件を選ぶ。その結果、シシカバブ生成機構を理解する上で、重要な知見を幾つか得ることができた。以下にそれをまとめる。 ●シシ構造生成に対して、臨界のせん断速度が存在する。 ●この臨界せん断速度は高分子運動の緩和時間との兼ね合いで決まる。 ●ケバブ構造生成に対しても、臨界のせん断速度が存在する。 ●上記2つの臨界せん断速度はほぼ等しく、ケバブ構造の異方性はシシ構造のそれにより支配されていると考えられる。 ●シシ構造がまず生成し、その後ケバブ構造がシシ表面にエピタキシー的に成長する。 ●試料中の高分子量成分がシシ形成には大きく寄与する。 ●シシ構造生成に対しては、高分子鎖の絡み合いが大きく寄与している。 結論として、今後シシケバブ構造生成の機構を明らかにするためには、シシ構造生成を中心にして、結晶化速度と分子運動の関係を明らかにしていくことが最重要であると言える。
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