配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
本研究では、自己組織化超格子構造をもつErSiO新規材料の1.54μm光導波路増幅器材料への可能性を追求した。 平成15年度は,MOMBE法,ナノ構造多孔質シリコン,ゾルゲル法の3つの方法によりこのEr-Si-O新規材料の作製を試み,いずれの方法でもErSiO混晶の形成に成功し,ErSiO特有の結晶構造,およびEr 4f-4f遷移の1.54μm発光においてシュタルク分裂を示す鋭い微細構造スペクトルを室温で観測した。 平成16年度は,ErSiO自己組織化超格子の形成メカニズム,結晶構造,特有な発光スペクトルと蛍光寿命の要因の解明を進めるために,100nm以上の厚さのErSiO膜を再現性良く形成するための膜成長方法とそのプロセスの改良を行い、その電気的,光学的基礎特性を評価した。超格子ErSiOを得るためには、Er : Si : Oの組成比を1:2:2.4に制御すること、中でもO(酸素)の制御が重要で、発光スペクトル、蛍光寿命に重要な影響を与えることを明らかにした。ErSiO超格子構造作製の低温化とSi基板上へのエピタキシャル成長を目指して、ゾルゲル法、MOMBE法のプロセス改良とともに新たにレーザーアブレーション方法の膜成長を行い、ErSiO超格子の作製温度を900ないし1000℃に下げることができた。また、Si(100)傾斜基板上にエピタキシャル成長が可能であることを示した。 平成17年度は、ErSiOの10-20μs蛍光寿命の起源を調べ、この速い蛍光寿命はEr4f準位間の発光遷移寿命そのものであることを明らかにした。また、光導波路を作製し、増幅、損失、アップコンバージョン特性を評価した。 以上を総合して、ErSiOは>10^<20>/cm^3という高濃度Erとともに10-20μsという速い発光寿命を持ち、1.54μm誘導放出、光増幅の可能性が非常に高い材料であることを明らかにした。
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