研究課題/領域番号 |
15360019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 名古屋大学 (2004) 三重大学 (2003) |
研究代表者 |
齋藤 弥八 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90144203)
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研究分担者 |
中原 仁 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20293649)
畑 浩一 三重大学, 工学部, 助教授 (30228465)
佐藤 英樹 三重大学, 工学部, 助手 (40324545)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2004年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 電界放出 / 電子線干渉 / 可干渉性 / 電子源 / 電解放出 / コヒーレンス / 酸化ルテニウム |
研究概要 |
電子放出増強効果を安定に得るための吸着分子(あるいはクラスター)の安定固定法の探索とカーボンナノチューブ(CNT)電子源の高いコヒーレンシの実証を行ない、以下の成果を得た。 1.先端曲率半径の異なるCNTからの電界放出 d-CNT(densest CNT)と呼ばれる頂角19.2°の円錐形の多層CNT(MWCNT)からは、斑状パターンと五員環パターンの2種類の電界放出パターンが観察された。d-CNTの先端曲率の分布の測定、2種類の干渉パターンの出現頻度、それぞれのパターンが現れる閾値電圧などを調べることにより、斑状パターンは先端曲率半径が2nm以下、五員環パターンは2nmを超える場合に得られることを明らかにし、種々のCNTからの電界放出パターンの違いを統一的に解釈することを可能とした。この結果は、CNT内の電子の波長(フェルミ波長)と隣接する五員環の間の距離の大小関係により2種類のパターンに分かれることを示し、CNT内の電子のコヒーレンス長が10nmを超えることを示す。 2.RuO_2担持MWCNTからの電界放出 適量のRuO_4溶液を滴下したMWCNT試料においては、CNT表面に担持されたRuO_2クラスター(直径1-2nm)からの電子放出に起因すると推測される安定した明るい輝点が観察され,閾値電圧の低下も認められた。この輝点は、残留ガス分子の吸着とは違って、フラッシュ加熱を行っても変化することはなく、RuO_2はMWCNT表面に強固の保持されていた。しかし,過剰なRuO_4溶液の滴下は電子放出特性を逆に劣化させた。 3.電子放出パターンのシミュレーション CNT先端の五員環をスリット穴とみなし、これらの穴からの回折パターンをシミュレートした。その結果、球面波として広がって放出される波を使うことにより、実験的に得られた電界放出パターンを比較的よく再現することができることを示した。
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