配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2003年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
拡散表面をもつ物体からの光散乱場の位相情報を用いた新しい光波センシング技術を開拓することを目的として,光散乱場の位相分布の中に生成される光渦場(Optical Vortex)の渦中心に存在する位相特異点(Phase Singularity)の統計的性質を実験により明らかにした.また,位相特異点の統計的性質を利用して微小変位の精密計測する新しい発想に基づく原理を提案し,計測装置を試作しその有効性を実験的に示した.その具体的内容は以下の通りである. 1.光散乱場の位相特異点の空間構造と統計的性質の解明 フーリエ縞解析法による精密干渉計測と波動場の内挿により光渦場の位相特異点近傍の位相の空間構造を高分解能計測する技術を開発し,Berryが理論的に予測した光散乱場の位相特異点の楕円的空間異方構造とその統計的性質を初めて実験的に確認した.また,Dennisが理論的に予言した位相特異点近傍の位相場の角運動量のケプラー則を初めて実験により検証した. 2.スペックルパターンの解析信号の位相特異点を指標としたナノメートル領域の微小変位計測の実現 スペックルの強度情報を位相情報に対応づけるための手段としてRiesz変換に基づくスペックル強度場の複素解析信号表現を採用し,複素解析信号の位相特異点の中心位置を指標とする微小変位計測法を提案し実験によりナノメートルクラスの微小変位計測の可能性を実証した. 3.スペックルパターンの複素解析信号の位相限定相関法による微小変位計測法の実現 スペックルパターンをヒルベルト変換して得られる複素解析信号の擬似位相情報のみを用いた信号領域での位相限定相関関数を指標とする微小変位計測の原理を提案した.実験と理論の両方により従来の強度相関法に対する優位性を実証した. 4.複素コヒーレンス場のコヒーレンス渦の存在の実証実験 光波動場の相関関数である複素コヒーレンス関数のコヒーレンス渦場が存在することが理論的に予測されていたが実験的にはまだ示されていなかった.コヒーレンス渦場を発生させる実験法を提案し,実験によりコヒーレンス渦場の存在を初めて実証することに成功した
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