配分額 *注記 |
15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
本研究の目的は科学技術計算に現れるさまざまな超大規模線形方程式の数理的諸問題を研究し,高速解法を総合的に開発するものであり,その最終目標は,解きにくい問題を簡単に,計算時間のかかる問題を高速に,計算精度の不十分な問題を高精度に解けることである.そのため,まずは科学技術計算に詳しい分担者5名(小柳,藤野,速水,長谷川,阿部)が線形方程式に帰着される応用問題の現状について調査した.その調査結果をもとに全員は線形方程式の係数行列を規模と構造と代数性質の観点から分類を行った.張,小柳,速見,阿部は正則と特異な行列に対して収束性の研究を,張,藤野,長谷川,阿部は前処理手法の研究を行った.張,藤野は所属した研究機関の高速計算機環境(スーパーコンピュータと並列コンピュータ)において,クリロフ部分空間法の実装を行った.全員は計算結果に対して検証を行い,新しい問題点と課題に取り込んでいた.国内から計算科学,計算機科学,クリロフ部分空間法,前処理手法,ライブラリー開発などに携わっている専門家を招き,専門知識の提供を求めた.最終年度の現時点ではライブラリーを提供する計算サーバーの構築を行った. 全研究期間においての研究実施計画の実施状況は下記の通りである. 1.線形方程式に帰着される科学技術計算の応用問題の現状について調査した. 2.線形方程式の係数行列を規模と構造と代数性質の観点から分類を行う. 3.新しく提案された解法,GPBi-CG(ω)法,GPBi-CG法の収束特性をテスト問題を通じて具体的に評価した. 4.正則と特異な行列に対して収束性に関する研究を行った. 5.前処理手法の研究を行った. 6.4台のプロセスからなる並列システムを構築し,その上での前処理の並列技術に関する研究を行った. 7.高速計算機(スーパーコンピュータと並列コンピュータ)においてクリロフ部分空間法の実装を行った. 8.計算結果の検証を行い,新しい問題点と課題に取り込んでいた. 9.国内から計算科学,計算機科学,クリロフ部分空間法,前処理手法,ライブラリー開発などに携わっている専門家を招き,専門知識の提供を求めた. 10.最終成果として,ライブラリーを提供する計算サーバーの構築をほぼ完成した. これらの成果を国内外の同分野の研究者に紹介し,学術交流を通してその位置づけ・意義を明確にするため,学術論文誌に投稿するとともに,国内外学術会議にて出席して,発表を行った.
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