配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
2005年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
本研究では,まず高分子材料と複合材料の衝撃破壊靱性を高精度で評価できる新しい手法の開発を行なった.そして生分解性高分子と複合材料を含む種々の材料に応用し,計測手法の妥当性と適応性を明らかにした.さらにその手法を,ナノ・ミクロレベルで構造制御された材料の破壊挙動を調べることにより,撃性破壊メカニズムを詳細に解析した.その概略を以下に示す. 高分子系材料の破壊靱性は負荷速度に大きく依存するため,材料の粘性が破壊挙動に影響を及ぼすこと,また,き裂が高速度で進展する脆性破壊では,動的効果を考慮すべきであることが指摘されている.しかし,粘性および動的効果を定量的に評価することは技術的に容易でなく,これまでほとんどなされていないのが現状である.本研究では,粘性と動的効果を計測するための装置の開発を進め,試験片の破断後の残留変位と動的エネルギが計測できることを可能とした.またこの装置を応用し,脆性破壊における粘性と動的効果が分離できること,すなわち試験片に作用する外力仕事が弾性エネルギと非弾性エネルギ,破面形成に要する破壊エネルギに分離できることを示し,衝撃破壊メカニズムが詳細に解析できることを明らかにした. さらに本研究では,ナノ・ミクロレベルで構造を制御した生分解性高分子材料や複合材料をアニーリングやポリマーブレンドすなわち異種の生分解性材料と混合することにより作製した.作製した材料の破壊靱性を静的および衝撃下で評価した.また偏光顕微鏡と電子顕微鏡で破面やき裂先端近傍の損傷域を詳細に計測した.さらにき裂進展を制御する破壊パラメータとして,エネルギ解放率を荷重-変位曲線より決定し,ナノ・ミクロレベルで構造を制御することにより,破壊靱性が大幅に改善できることを明らかにした.
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