研究分担者 |
楊 明 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教授 (90240142)
吉村 卓也 首都圏大学東京, 都市教養学部, 助教授 (50220736)
角田 陽 首都大学東京, システムデザイン学部, 助手 (60224359)
金子 新 首都大学東京, システムデザイン学部, 助手 (30347273)
古川 勇二 東京農工大学, 工学部, 教授 (10087190)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
微小工具に多軸同期振動を与え、工具の軌跡と形状を転写することでミクロンオーダのテクスチャ(微細周期構造)加工する手法の確立を目的として研究を行い,以下の結果を得た. 1.単軸振動によるガラスの切削 超音波振動子の先端に超硬合金製工具(直径0.1mm)を取り付けて低融点ガラスの溝加工を行ったところ,水のみを供給した切削によって工具端形状が良好に転写された加工が行えた.このような加工を行うためには工具端形状に適度な丸みが必要であり,その条件を実験的・解析的に明らかにした. また,微小切削では工具・工作物の接触検出が容易でないが,力センサ信号の高調波成分を調べるなどの新しい方法を提案するとともに,チッピングの発生などをモニタリングする方法も提案した. 2.振動の多軸化とテクスチャの検討 超音波振動子の節点側方(直交2軸)を圧電素子で駆動することにより工具に3軸振動を与え,工作物表面にテクスチャ(微細周期構造)の加工を行った.ほぼ理論どおりの加工が行えるものの,超音波振動と直交する2軸間ではクロストークが大きいことがわかった.そこで,シミュレーションツールを開発し,仕上がり形状の予測と補正のための検討が行えるようにした.また,ガラスの加工では工具系の剛性が十分でないために加工精度が低いことが分かった. 3.高精度化の検討 工具軸方向に1つ,これと直交する方向に2対ずつの4つの圧電素子を配置し,対称性・剛性を高めた駆動機構を製作した.工具を微小化・高精度化するためにダイヤモンド工具(先端幅2ミクロン程度)を用い,さらにグラファイトやパラフィンといった柔らかい材料を加工対象とした.その結果,ピッチ10ミクロン,振幅5ミクロン,幅1ミクロン,深さ1.7ミクロンの溝形状からなるテクスチャを加工できた.工具の縦振動もそのまま転写された三次元テクスチャ形状の加工が行えることも明らかにした.
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