配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,従来の加圧成形型RBセラミックスの製造法では実現不可能である寸法収縮率が小さく,複雑形状や量産品の製造に適した新しいRBセラミックスの製造方法を開発し,摺動部材への応用を図ることである.平成15年度〜平成17年度の研究開発において得られた知見は以下のとおりである. 平成15年度では,RBセラミックス粉体をフェノール樹脂に対して85wt%配合し,混練することによりペレットを作成し,射出成形機により所定の形状に成形した後,この成形体を900℃,窒素ガス雰囲気炉中にて炭化焼成することにより射出成形型RBセラミックスを開発した.その結果,従来の加圧成形型RBセラミックスの5分の1以下の5%未満という極めて小さな寸法収縮率が得られた.また,射出成形型RBセラミックスは,15GPaという低ヤング率を示す一方で,最大270MPaの圧縮強度を示し,従来の加圧成形型RBセラミックスのおよそ3.5倍の高強度を有することが判った. 平成16年度では,相手材をAl_2O_3,SUJ2,SUS304としてボールオンディスク型摩擦試験機を用いて,射出成形型RBセラミックスの大気中無潤滑下及び油潤滑下におけるトライボロジー特性を明らかにした.その結果,射出成形型RBセラミックスは,大気中無潤滑下において,すべり軸受として実用に十分耐えうる摩擦・摩耗特性を示し,また,油潤滑下において,従来のすべり軸受材料をしのぐ特性を示すことから,油中でのすべり軸受材料としても十分実用化の可能性を有する材料であることが明らかとなった. 平成17年度では,射出成形型RBセラミックスの大気中無潤滑下における摩擦・摩耗特性に及ぼす温度の影響を明らかにし,乾式クラッチ材としての射出成形型RBセラミックスの応用の可能性について検討した.その結果,射出成形型RBセラミックスは,高温環境においても優れた摩擦・摩耗特性を示し,乾式クラッチ用摺動材料として十分実用化の可能性を有する材料であることが明らかとなった.
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