配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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研究概要 |
混相流を含む工業機器の設計・開発支援のために,様々な時間・空間スケールの現象が内在する混相流の数値予測が不可欠である.しかし,既存計算手法は各々扱える空間スケールが異なり,複数のスケールが共存する混相流を合理的に取り扱える計算方法はない.本研究では,既存計算手法をハイブリッド結合し連続体のスケールの範囲内で多種多様な混相流を扱える統合計算手法の開発を目的とした.本年度は,前年度までに高度化された多流体モデル,粒子追跡法,界面追跡法の3種の計算手法をハイブリッド結合し,統合計算手法を完成した.本計算手法は,(a)多流体モデル,粒子追跡法,界面追跡法の機能を内包するため,単一機能を選択すれば各機能が扱える現象を従来通り予測可能,(b)任意の2種の計算手法を組合せた3種のハイブリッド計算を実施可能,(c)3種の計算手法の組合せにより任意の粒子径-計算セルサイズ比の粒子や大規模な界面構造が混在するマルチスケール混相流を計算可能という特徴を有している.本手法の計算能力検証のため,3種の計算機能を全て用いて正方形ダクト内気泡流の計算を行い,(1)統合計算手法は従来手法では計算困難であった非均質気泡流を扱えること,(2)大規模な界面構造や微小気泡が混在する流れを計算できることを示した.また,自由表面を有する矩形容器内非均質気泡プルームを対象として実験と計算結果を比較し,(3)セルサイズ程度の小気泡が疎に分散する流れの平均量を短時間で求めるには多流体モデルが適している,(4)小気泡と大気泡が混在する疎な気泡流れ場の計算には粒子追跡法が適している,(5)対象とする流れ場に応じて最適な計算手法を選択することにより良好な予測結果を得られることを確認した.以上のように、本研究では混相流が内包する様々な空間スケールの現象と計算者のニーズの多様性に柔軟に対応できる統合計算技術を構築し,その有用性を確認した.
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