配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
実用問題における複雑な内部流動を信頼性高く解析するためには,実験流体力学(EFD)および計算流体力学(CFD)による解析技術の欠点を補い合った新たな流動解析技術が不可欠であるという観点から,本研究では,EFDとCFDが融合した内部流動のハイブリッド解析技術を構築した.複雑内部流れ場として,遷音速および低速の軸流圧縮機動翼列流れ場を取り上げ,それらの流れ場解析に本ハイブリッド解析を適用した.得られた知見の概要は以下のとおりである. 遷音速軸流圧縮機動翼列流れ場において,LDV計測により得られた動翼列内の三次元速度ベクトルデータ(EFD)と非定常三次元RANS(レイノルズ平均ナビエ・ストークス)計算結果(CFD)とを組み合わせてハイブリッド解析を行った結果,翼前縁の離脱衝撃波と翼先端漏れ渦とが干渉して翼先端漏れ渦の崩壊が引き起こされ,流れ場に強い非定常性が発現すること,この翼先端漏れ渦の崩壊により漏れ渦自体が翼列内で大きく振動するとともに離脱衝撃波も流れ方向に振動することが明らかになった.また,低速軸流圧縮機動翼列の旋回失速初生時における流れ場において,動翼列部を覆うケーシング面上の圧力分布の時系列データ(EFD)と大規模な非定常三次元RANS計算結果(CFD)とを組み合わせてハイブリッド解析を行った結果,失速初生前において翼先端漏れ渦の崩壊が発生しているが,失速初生現象を支配するには至らないこと,前縁はく離型の失速初生が起きること,失速初生現象を支配するのは小スケール多重旋回失速時と類似の形態を持つ竜巻状のはく離渦であることがわかった.
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