配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
本研究では,DGPS装置による測位が移動中に連続的に測位値を得られる点で優位であるが,同時に走行環境周囲の構造物や立ち木などによる衛星電波の多重反射等の影響を受け,大きな誤差を伴いうることも見出した.このため,測位誤差を含むGPS測位値から誤差の小さな測位値を弁別する必要があることがわかった.本研究ではこの間題を,移動体のオドメトリを基準にGPSの測位誤差を判定し,弁別されたGPS測位値とオドメトリを拡張カルマンフィルタの枠組みを用いて融合する手法を開発することで解決した.しかし,高い建物や樹木が連続し,GPS測位値が大きく乱れ続けると,結果的にオドメトリによる測位値のみに頼ることになり,累積誤差により測位精度が低くなるという問題があることもわかった. そのためGPSとLRF,オドメトリを用いた建物付近の歩道環境での測位手法を提案した.広大な屋外環境に存在する建物付近のランドマークの地図を正確に簡単に作成するため,RTK-GPSおよびLRF,オドメトリを用いて屋外の三次元形状を復元し,その復元形状の中で人手によりランドマーク位置姿勢を指定する手法を開発した.移動体に取り付けたLRFを稼動させながら,移動体を環境中で移動させ,またサンプリング時刻ごとの車輪の回転量を,LRFからの測距データとともに記録した.このとき,移動体を20m〜30mおきに停止させRTK-GPS装置による測位を行なった.RTK-GPS装置による測位値は静止測位では非常に高い精度で得られるので,この測位2点間の間の移動体の位置を,車輪の回転量の毎サンプリング時の記録をもとにスムーザーを用いて補間することにより,移動体の通過位置を高い精度で推定することが可能となった.これにより,LRFデータから復元した三次元形状も正確なものとなり,ランドマークの位置姿勢を正しく求めることができた.結果的に学内の建物が多い環境の中で移動体を自律的に数百mにわたり屋外ナビゲーションさせることができた.
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