配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2003年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本研究は,「局所滑り覚」概念導入に基づく予知触知覚情報の取得・呈示法に関するものである。本研究では,「局所滑り覚」概念の妥当性を確認するとともに,予知触知覚情報の取得・呈示法を明らかにするために,いくつかの手法に基づく触覚センサ・触覚ディスプレイの研究を行った。ひとつめは,PVDFフィルムを用いたフィンガスキンに関する研究である。曲面状シリコーンゴム内にPVDFフィルムを配置して局所滑りを検出するとともにヒトに局所滑りを呈示することによって,触覚のセンシングと局所滑り覚呈示を同時におこなえることを確認した。ふたつめは,3つのユニットからなる局所滑り覚呈示の研究である。3つの素子およびプーリ,おもり等から成る簡単な装置により,ヒトが局所滑りに対して反射的に把持力増強を行うことを確認した。三つ目がICPFアクチュエータを用いた振動刺激により局所滑り覚を呈示できることを確認するものである。この結果,数10Hzのマイスナー小体への刺激を与えた際に,ヒトは無意識的に把持力増強反射を呈することを明らかにした。なお,局所滑り覚のマスター・スレーブシステムを構築するという当初の目標を十分には達成していない。これには,研究組織が移動により当初の予定とは大きく異なってしまったことに大きく依存する。ただし,逆に,ヒトの局所滑り覚の解明という意味では当初の予定以上に明確な成果をえられたため,知能機械学および工業の発展には大きく寄与できたものと考えている。
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