研究概要 |
近年,数kWから数百kWの出力のマイクロガスタービンが分散電源やコージェネレーション用機器として開発されている。これらのガスタービンの性能をフルに発揮し,高効率の発電システムを実現するには,減速機を必要としない,十万〜百万rpmの回転数で回転する高効率のマイクロ同期発電機と,その出力を商用周波数の交流電力に変換する周波数変換装置が必要不可欠である。これらの実現のためには1〜20kW,回転数20〜100万rpmの超高速電動機とそれを駆動する周波数変換装置が必要不可欠である。本研究では,定格回転速度30万rpm,5kWの永久磁石式超高速同期発電機・電動機,さらに,超高速電動機を駆動するマトリックスコンバータおよび超高速発電機の出力を商用周波数の交流電力に変換する3レベル-2レベルコンバータから構成される,超高速発電機・電動機システムの最適な構成を確立することを目的としている。本研究期間に得られた主な成果を以下に記す。 (1)超高速電動機・発電機の設計法の確立を行い,目標回転速度300,000rpm,5kWの永久磁石式超高速同期電動機を設計・試作,これに直結する動力吸収装置オイル循環冷却システムやシステム架台を作成した。 (2)安定化制御と高効率化制御を利用した高性能V/f制御アルゴリズムを開発し,本小型超高速電動機の駆動実験を行い,本電動機の駆動を確認し,高速実験による基礎特性を得た。 (3)固定子の突極構造,集中巻線の採用などの電動機サイズの小型化,製造過程における効率化を目的とした現在の構造が,渦電流の発生を招き,熱損失を増やすことに至るなど,実験により判明した問題点の解決のため,渦電流解析を行い,最適な設計指針の検討を行った。 (4)超高速電動機を駆動するマトリックスコンバータおよび超高速発電機の出力を商用周波数の交流電力に変換する3レベル-2レベルコンバータから構成される,超高速発電機・電動機システムの最適な構成を確立することを目的として,システム全体を考慮できる回路シミュレータを用いた解析手法を提案した。
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