配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
本研究は,超臨界流体を利用して,超機能・超微細デバイス用薄膜材料の堆積を行う,新規でかつ低環境負荷型のデバイスプロセス・薄膜堆積技術の創製に関するもので,平成15年度より3カ年間,基盤研究Bとして採択され研究を行ったものである。 まず,本新規成膜法の成膜機構を明らかにし,成膜速度向上,連続成膜を可能にするため,独自の原理に基づいた流通型反応装置を試作して研究に供した。反応系として,集積回路の微細配線Cuへの応用を前提とし,水素還元Cu堆積反応を取り上げた。Cu堆積はLangmuir-Hinshelwood型の反応であり水素の解離吸着が律速過程であることを見出した。また,段差被覆・埋め込み性についても検討を行い,メカニズムとの対応を検討した。これらの結果,成膜速度や被覆性の向上には水素の供給と解離促進が重要であるという指導原理を得ることができた。更に,分離システムを試作すること未反応原料を回収し,純度調査を行い,リサイクル性・低環境負荷プロセスであることを実証した。 また新規堆積系として,各種金属や,酸化物堆積を試み,Pt,Ru,ZnOの成膜に成功した。これらの材料を用い,MEMS/NEMS用ナノコンポーネントの試作を行った。本プロセスの超被覆・浸透・埋め込み性を利用し,ナノロッドや3次元集積回路用貫通電極の試作に成功した。 以上,超臨界流体を利用した成膜プロセスの学術的および応用上の知見を得るという,当初の目標をほぼ達成するとともに,MEMS/NEMSなどの新たな応用展開に関する知見を得ることができた。
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