研究課題/領域番号 |
15360176
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
杉村 明彦 大阪産業大学, 工学部, 教授 (90145813)
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研究分担者 |
佐藤 克彦 大阪産業大学, 教養部, 講師 (90388356)
宇佐美 清章 大阪産業大学, 工学部, 講師 (40360507)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 液晶 / 電子・電気材料 / 表面・界面物性 / アンカリング強度 / ポリシラン / ダイレクタ配向 / 極微アンカリング / 光位相マスク / 重水素化核磁気共鳴法 / アンカリングエネルギー / 弾性理論 / グレーティング |
研究概要 |
液晶分子の動的挙動とアンカリング強度の膜厚依存性を明らかにするために、ダイレクタの"熱的ゆらぎ"の機構解明を中心に研究を進めた。平成16年度の研究を通して、ダイレクタの回転角がほぼ90°の時、その回転緩和過程においてランダムダイレクタ配向状態が出現することを時間分解重水素化核磁気共鳴法により観測した。平成17-18年度の継続研究により、不均一ダイレクタ配向分布の発現条件として次の結論を得た。 1.磁場と電場のなす角(α)がα<45°の条件では、ダイレクタ回転にともなう配向分布はモノドメイン分布を示す 2.45°<α<90°の条件では、ダイレクタ配向分布は均一な配向分布を示すが、配向分布の広がりは大きくなる 3.α=90°の条件では、ダイレクタ回転にともなう配向分布は均一配向から不均一配向分布へと遷移する 4.この不均一配向分布は、測定温度の減少により均一配向分布へ変化する 5.不均一配向分布は、より強い電場印加により発現する(閾値電場が存在する) 6.不均一配向分布の発現条件では、電場印加(遮断)後ダイレクタ回転開始前に時間的な遅れが発生する 本研究により初めて観測したダイレクタの"熱的ゆらぎ"は、平成17年度の研究成果である基板界面でのアンカリング強度のセル膜厚依存性の原因の一つとしても指摘した。 「極微なアンカリング強度を有する新規な薄膜界面を創製し、これら薄膜界面での液晶分子のダイナミクス機構を明確にする」目的で、4年間に渡り行った研究成果は、下記の通りである。 1.テフロン系材料のLB膜により、極微アンカリング強度(〜10^<-6>J/m^2)を有する配向膜制御を達成した。 2.ダイレクタ回転角がほぼ90度の時、ダイレクタ回転緩和過程において不均一ダイレクタ配向分布が出現することを時間分解重水素化核磁気共鳴法により初めて観測した。 3.上記の研究より、長距離領域に渡るダイレクタの"ゆらぎ"に関する今後の理論的研究の重要性を示した。 以上の研究成果は、国内外の会議において報告し成果の詳細に渡る議論を進めた後、本報告書に掲載した論文誌に発表し、研究成果の社会還元を行った。これらの研究成果報告は、今後の液晶分子素子研究・開発の進展に十分に寄与すると予想される。
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