配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
通常の光学系,伝搬波を用いた画像化システムでは,画像分解能は用いる波の波長程度に制限されるが,走査型近接場顕微鏡(Scanning Near-Field Microscope)においてはこの限界以下の分解能,すなわち波長よりも十分小さい分解能で物体を観察,画像化することが可能である。本研究では,我々が提案し,現在主にミリ波帯で研究・開発を行っているスリット型プローブを用いた走査型近接場顕微鏡システムに関して,ミリ波帯からテラヘルツ波帯(周波数:30GHz〜数THz)までの高周波帯における新たな計測技術を開発し,その応用を探索することを目的とした。 ミリ波帯における研究開発の結果,システムの高機能化に関しては物体応答の電界異方性を画像化する技術を開発することに成功し,更に受動型近接場顕微鏡法における画像再構成原理の実験的検証にも成功した。システムの高感度化を実現するために共振型スリットプロープを提案し,プローブの設計・製作及び特性評価を実施した。その結果,共振型スリットプロープは,従来用いていたテーパー型スリットプローブと比較して10倍以上と極めて高感度で動作することを実験的に明らかにした。 テラヘルツ波帯においては,0.3THzで動作するテーパー型スリットプローブの最適化設計を実施し,本設計結果に基づいて,テラヘルツ波帯で動作するスリット型プローブを電気鋳造技術により製作し,特性評価を実施することに初めて成功した。 応用の探索に関しては,以上で開発した新たな計測技術を用いて,ミリ波帯において誘電体基板材料,液晶材料等の測定を実施し,本技術の有効性を実験的に確認することに成功している。ミリ波,テラヘルツ波帯電磁波の特徴,特異性を活かした新規応用の開拓,高分解能化を目指した検討が今後の課題であると考えている。
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