研究課題/領域番号 |
15360196
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子デバイス・電子機器
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
須崎 渉 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (00268294)
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研究分担者 |
松浦 秀治 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60278588)
大野 宣人 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20194251)
富岡 明宏 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (10211400)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 超格子レーザ / ミニバンド遷移 / AlInAs / InGaAs超格子 / AlGaAsSb障壁層 / MBE / InP基板 / カスケードレーザ / 赤外 / ミニバンド間遷移 |
研究概要 |
半導体レーザでは波長が2.5〜4μmでは室温発振が実現されていない。本研究はAlAsSb/GaInAs超格子を用いるサブバンド間遷移を利用するカスドケード構造を用いた新構造を提案し、MBEによる作製の基礎研究を行った。 1.超格子設計:従来のInP基板を用いたAlInAs/GaInAs超格を用いるカスドケード構造では障壁層のAlInAs層と井戸層のGaInAs層の間のバンドオフセットエネルギー(障壁ポテンシャルエネルギー)が0.52eVであり、4μm以下の波長を得るには電子のオーバーフローのため実現できない。本研究ではInPと格子整合するAlAs_<0.5>Sb_<0.5>を障壁層に用いGa_<0.47>In_<0.53>As井戸層との間のバンドオフセットが1.60eVであり、4μm以下の波長が可能である。超格子3サブバンド準位による発光層として3個のInGaAs層を基本構造とし、短波長発振のネックである電子のオーバーフローを防止するための設計を行うため次の2方式の計算機シミュレーションを行った。(1)AlInAs障壁層4個の内1個をAlInAsからバンドオフセットエネルギーの大きいAlAsSbに換える方式、(2)AlInAs障壁層のにAlAsを2原子層、InGaAs井戸層にInAsを2原子層導入して格子定数の差による歪を補償するとともにバンドオフセットエネルギーを0.52eVから0.74eVとする格子歪補償方式。この結果、(1)、(2)とも波長3μm帯で電子のオーバーフローが抑制されるが、(1)は(2)に比べ短波長化に優れており、これらの設計シミュレーションについて学会発表を行った。(電気学会より論文発表優秀賞を受賞) 2.MBEによる超格子の作製:InP上へ格子整合するInGaAs、AlInAs、AlAsSbの作製条件を格子定数のX線回折装置による測定フィードバックを行いながら決定した。AlAsSbの作製には初年度に導入したクラッキングセルを用いることにより、基板温度が520℃で格子整合する組成AlAs_<0.5>Sb_<0.5>を得ることができた。InGaAs/AlAsSbヘテロ接合を形成できるようになった。結晶の光学特性の評価低温:作製したInGaAs成長層のフォトルミネッセンスを液体ヘリウム温度室温まで結晶特性を調べた。バンド端発光以外の結晶欠陥による発光は観測されず、結晶性がすぐれていることが確認された。 3.これらの結果を踏まえ、AlInAs/GaInAsカスケード格子構造と上記のAlAsSbを障壁層とする構造をMBEで作製しTEMによる観測で各層の層厚のばらつきは1原子層以内であることが確認され、素子作製が可能な段階にあり、今後引き続き研究を継続する。
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